六本木ヒルズ全景 写真提供=森ビル株式会社 藤巻慎一 森ビル株式会社執行役員 都市部では所有者不明より境界不明が問題 六本木ヒルズは1986(昭和61)年の地元への呼びかけ開始から17年後の2003(平成15)年に完成を迎えた。その間、土地の境界確定作業に4年を要した。11ヘクタールの事業区域内に366筆の土地(宅地318筆、道路等48筆)があり、所有者単位に164の区画に分け、1区画ごとに境界を確定していった。 この境界画定作業の中で、所有者不明の土地は1筆のみだった。確定後の面積は4.73平方メートルの空き地。登記住所に所有者は居住しておらず、固定資産税の課税免税点以下で非課税であったため、本人も所有者であることの認識が低かったものと思われる。弁護士に依頼して戸籍の附票をたどり、親族を探し出して連絡したところ、アメリカ在住であることがわかった。海外在住者との境界画定手続きは困難を伴う
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