差別感情の哲学 作者: 中島義道出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/05/15メディア: 単行本 クリック: 77回この商品を含むブログ (21件) を見る 久しぶりに、読んでて卒倒しそうなほど腹が立った。 書いてあることは、普段身近でよく耳にする意見と重なるところがあるので、この機会にちゃんと批判を書いておきたい。 基本的なスタンスへの批判 著者の基本的なスタンスは、次のようなところに示されている。 私の疑問は、「心」に限定される。制度上の差別は撤廃してしかるべきであろう。差別的発言も(少なくとも)制限されるべきである。しかし、差別撲滅運動が人間の心に潜む悪意まで徹底的に刈り込むことを目標にするのだとしたら、誰もが差別感情を抱かなくなることを到達点とみなすのだとすれば、直感的にそれは違うのではないかと思う。(p9) しかし、現代日本社会においていかに差別に対する社会的制裁が厳し