原爆投下前後の広島を描いた漫画「はだしのゲン」。これまで広島市立の学校で使われる平和教材に掲載されてきたが、令和5年度から別の作者の作品に変更されることが分かり、波紋を広げている。市教育委員会は「時代の変化に伴い、一部だけを切り取った掲載では誤解を生じる可能性がある」と説明。一方、市民団体からは「子供たちに伝えていかなければならない作品」と批判の声が上がっている。教材への使用について賛否が渦巻く「はだしのゲン」とは、そもそもどういった漫画なのか。 「はだしのゲン」は、国民学校2年の中岡元(げん)が原爆投下により父親やきょうだいを失う悲惨さや、生き残った母親、仲間たちと支えあって成長していく姿を描いた中沢啓治さんによる自伝的漫画。昭和48年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載がスタートし、翌年にいったん終了した。その後、市民団体のオピニオン誌や共産党系の論壇誌で掲載され、日本教職員組合(日