(英エコノミスト誌 2013年10月5日号) 世界トップの投資銀行が自分自身にスポットライトを当てている。 資金難と、デリバティブに絡む隠れた損失の噂が飛び交い始める。市場が神経質になる。株価は下落し、取引の相手方は信用枠を削減し始める。世界最大手の一角を占める金融機関が破綻の危機に陥り、世界を再び危機に陥れようとしている。 ニューヨークの高層階にある役員室では、この金融機関の上級幹部がゴールドマン・サックスの代表者たちと会い、ゴールドマンが信用枠を維持するという再確認を求めている。 たとえそれがゴールドマンを危険にさらすことを意味するとしても、同社のバンカーたちは顧客の力になるべきか、それとも、ことによれば金融危機を引き起こす可能性があったとしても、自分たちを守るべきなのか? ここでスクリーン上の映像が止まる。部屋の明かりが点灯し、ゴールドマンのロンドン事業のバイスプレジデント約100人