今月初めに開催された第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭について、前編、後編の2回に分けて書いた。 その新千歳の長編コンペティションで上映された5本のうち、唯一の日本の長編アニメとして『駒田蒸留所へようこそ』が入った。受賞には至らなかったが、昨日から一般公開の本作を1週間ほど早く見れたのは幸運だった。 経営難に陥った実家の稼業の蒸留所を立て直そうと奮闘する若い女性が主人公、近年とみに人気の高いジャパニーズウィスキーの蒸留所が舞台とあって、どこまで「大人向け」の作品に仕上がっているかが、私の注目点だった。何より私は、ウィスキー好きでもある。 ここで私の言う「大人向けアニメ」とは何かというと、50代以上の世代向け、子ども時代に『ガンダム』などに触れてはいるものの現在はアニメは見ない、そういう世代と観客に特化した作品である。 漫画では、こうした作品はたくさんある。中高年の恋愛・不倫もの、妖