知ってるひとは知っている話で、この箱の中味を書いているのは小田切博とかいうひとなのだが、その人物が寄稿したので届いた『ユリイカ』6月号「マンガ批評の新展開」をざっと読んだら一冊全体で「表現論vs社会反映論」という図式のある特集になっていて、無責任にも「うへぇ」と思った。 まずこの特集巻頭に付された泉信行、夏目房之介との鼎談「マンガにおける視点と主体をめぐって」で宮本大人は2006年1月の『ユリイカ』での特集「マンガ批評の最前線」以降「マンガとマンガ表現の外部を関連付けて論じましょうという流れが強かった」といっている。だが、実際には2006年以降出版されたマンガ関連の書籍で「マンガとマンガ表現の外部を関連付けて論じましょう」というコンセプトの本だと明確にいえるのは私自身の『戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌』(NTT出版、2007年)と永山薫、昼間たかし『マンガ論争
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