秋田孝宏『「コマ」から「フィルム」へ マンガとマンガ映画』読み終わりました。主に、日本マンガと日本アニメにおける表現の特異性と関係性を論じたもの(という理解でいいのかな)で、特に前者から後者への影響を細かく分析しています。いや、面白かった。 マンガとアニメを比較するとき、大きなテーマが「時間」です。 本書の中で著者が多く引用しており、特に影響を受けたであろう本が3冊。ジェラール・ブランシャール「劇画の歴史」(1974年河出書房新社)、米沢嘉博編「マンガ批評宣言」(1987年亜紀書房)に収録されている加藤幹郎「愛の時間 いかにして漫画は一般的討議を拒絶するか」、そしてスコット・マクラウド「マンガ学」(1998年美術出版社)です。 著者が本書の内容の基礎となる論文を書いたのが1990年ですから、1998年に訳されたスコット・マクラウドから影響を受けるというのはヘンな話なんですが、マンガ内の時間