例えば音楽で世界を変えようとすることは、愚かなことだろうか。「愛と平和」と叫んで暴力を止めようとすることは、馬鹿げているだろうか。本気で世界を変えようとしている人は馬鹿と呼ばれても別に何も思わないだろうが、実際のところ馬鹿でもなんでもない。確かに、争いの無い世界を皆で想像すれば争いを無くすことができると考えるのは、社会科学的観点からして認められない見解である。けれども、そう考えることは間違いでも、それを実行しようとすることは社会科学と相容れないわけではない。 もちろん、音楽では世界を変えることはできない。そんなことは、いい大人なら誰でも薄々解っていることだ。でも、世の中には歌う人がいる。音楽に限らず、人に世界を変えることは不可能である。それでも、人はそれをしようとする。そして、それは決して愚かな行為ではない。 なぜか。世界を変えることはできないと解っていて、それでもなお変えようとすることが
「なんだこりゃ」と思ってよく“読んで”みると「へー」と驚くコピペ文章が最近2ちゃんねるに登場し、スレッド(スレ)の本題そっちのけでコピペに関する考察レスが交わされる……なんてことも起きている。 コピペ文はひらがなとカタカナだけで書かれており、一見すると2chでたまに見かけるうわごとにしか見えない。だがよくよく“読んで”みると、「確かに読める」と、ちょっと驚く。どうして「読める」のかは、コピペ文自体が説明してくれている。 「【ネット】「ウィキペディアが与える影響を調べるため」学生がもっともらしい嘘の書き込み 多数の欧米大手紙がだまされて引用」では、このコピペが2レス目に登場。「読めた」「人間の脳すげー」といったレスが相次ぎ、本題へのレスと入り交じって何のスレなのか分からない状態になっていた。 コピペが登場したスレには、人の記憶と認識に仕組みについて考察や、読める人と読めない人の違い、現象学的
田舎に住むも、都会に住むも、自由だ。 ただ、田舎は都会がなけりゃ生きていけないし、都会は田舎があるからいばっていられる。どっちもどちらかがなくては成立しないことは分かっていた方がいい。*1 「首都消失」なんて小説があったり、「首都以外消失」なんて映画があったりなかったりとか聞いたけど、どっちもパニックもののカテゴリー。田舎がなくなっても、都会がなくなっても、起こるのはパニック以外のなにものでもない。*2 はてな界隈で話題のこの3つのエントリーを読んだ若い人が「じゃ、都会だけとればいいじゃん」って思ってしまうのではないかと、どうも気になっている。 田舎は好きだが、それでも東京を選択する。 - ミームの死骸を待ちながら はてなダイアリー 田舎の人は循環する時間という「宗教」を信仰している - アンカテ と、大風呂敷をひろげたもののなんの考えがあるわけでもない。そもそもエントリーの冒頭で手ごわい
旧聞に属することかもしれないが、梅田望夫が「日本語が亡びるとき」を絶賛し*1、そのはてなブックマークがプチ炎上したことがあった*2。わたしはベストセラーは読まないし、ましてや小飼弾が絶賛している*3書籍は意地でも読まないので(Debug Hacksの書評ありがとうございます>弾さん)、わたしが何か言うべきものは持っていないのであるが、娘の本棚にそれを発見したので、こっそり読んでみた。(ありがとう>娘) 日本語。 たしかに<話し言葉>としての日本語は残るであろう。<書き言葉>としての日本語さえも残るであろう。だが<叡智を求める人>が真剣に読み書きする<書き言葉>としての日本語はどうか。 <叡智を求める人>が真剣に読み書きする書き言葉としての日本語が危機に瀕していると水村は言う。 普遍語としての英語の優位性は揺るぎないように思う。もはや勝負はついたようにさえわたしには思える。 文学はわからない
東京新聞社会面で報じたこのニュース。司会のみのが「『どぎゃ~(『どえりゃ』では?)うれしい』といったあの人でしょ」と、『朝刊キョーミ新新』で取り上げた。 それによると、河村市長は5月7日、市長や副市長ら市の特別職経験者が外郭団体に天下りすることを禁止。現在、天下りしている4人に対し、2、3か月以内に退職してもらうよう関係部門に指示した。 対象の4人は、いずれも元副市長の名古屋観光コンベンションビューロー理事長と名古屋地下鉄振興社長、ほかに市信用保証協会会長の元収入役、名古屋国際センター理事長の元助役。 名古屋市が出資したり市職員を派遣したりしている外郭団体は45あり、市職員OB100人が天下っている。このうち31団体のトップを市職員OBが占めているという。 河村市長は、もし退職を拒否したら「私が直接呼び出して辞任を求める。不退転の決意を示し、外郭団体改革の第1歩にする」と、意気軒昂。 みの
政府は2009年4月27日、急速な景気悪化に対応するための2009年度補正予算案と税制改正関連法案を決定し、衆議院に提出した。補正案の総額は13兆9300億円で過去最大規模。財務省の資料では詳細は分からないが、各省庁のサイトに関連資料が公表されている。 例えば、総務省の所管分は3995億円で細目も公表している(詳しくはこちら)。ここで興味深いのは、297億3000万円を計上している「電子政府・電子自治体の加速」という項目だ。まず、この内訳を見てほしい。 ・電子行政クラウドの推進(霞が関・自治体クラウド(仮称)及び国民電子私書箱構想の推進) 207.4億円 ・新しい公的個人認証システムの開発実証 77.9億円 ・オンライン申請サポート事業 12.0億円 いまIT業界で大きな注目を浴びているクラウド・コンピューティングの領域に約200億円を投じるのである。それでは、「霞が関クラウド」「自治体ク
<< 前の記事 | トップページ | 2009年05月06日 (水)時論公論「減反政策 議論の行方」 40年にわたって続けてきたコメの生産調整、いわゆる減反政策が行き詰まり、国が見直しに着手しています。議論の焦点と行方について合瀬(おおせ)解説委員です。 5月に入り農村では田植えのピークを迎えています。大型連休でこうした風景をご覧になった方は多かったのでは無いでしょうか。いまこの水田を巡って議論が続いています。1971年以来40年間続いている米の生産調整、いわゆる減反をどうするかです。 政府は様々な試算や国民へのアンケートなどを通じて、この夏までに議論をまとめたいとしています。今夜は日本の水田のあり方をどうするのか。減反政策の行方について考えます。 コメの減反政策とは農家がコメの生産量を減らし、需要と供給のバランスをとって価格を維持する仕組みです。1960年代の大豊作をきっかけに導入され
中野剛志『国力論』半分くらい読んでげんなり。合評会に行く気はほぼ消滅した。 *リストを論じて何で『農地制度論』に触れないの? せっかく小林昇訳の日本語版が利用できるのに。こちらでは植民・移民の問題も議論されてるのに。 ちなみにリストは日本では愛されてよく読まれてますよ。小林昇をはじめとして日本のリスト研究は世界水準というのが常識では? 何でそれを無視するの? *私見ではヘーゲルはスミスもリカードもよく理解できていない。彼の経済論の下敷きはむしろジェイムズ・ステュアート。 *ポーコック以降のいわゆる「シヴィック・ヒューマニスト・パラダイム」論者も別にアダム・スミスがリベラリストであることを否定してはいないと思うけど。「シヴィル・リベラル・パラダイム」なんて対語もあったと思うけど。ホント&イグナティエフ編『富と徳』とか。 *何で英語圏でも広く読まれている村上泰亮について論じないの? そもそも著
宮城県教委が計画する教育・福祉複合施設の施工業者をめぐり、県の選定手法が疑問視されている。県が選んだのは営業停止期間中だった大手ゼネコン鹿島を含む企業グループ。県議会を中心に「あり得ないこと」という指摘が出ている。契約のための議案が提出される6月定例県議会で議論になりそうだ。 鹿島の営業停止は3月26日―4月9日の15日間。1993年のゼネコン汚職で贈賄罪に問われた元副社長らの有罪が確定し、国が3月11日、建設業法に基づき決めた。 県は営業停止中の3月31日、鹿島を代表とするグループを施工業者に選定した。これが4月21日の県議会常任委員会で取り上げられ、質問が相次いだ。 県は(1)元副社長が起訴された93年に既に指名停止処分にしており、あらためて処分する必要はない(2)入札は営業停止が決まる前の2月に実施した(3)決定通知を受け取るのは営業行為ではない―ことを挙げ、「選定に瑕疵(かし
世界随一の原子炉製造技術を持つ日本メーカーをロシア企業が買収しようとし、日本が官民挙げての防衛策で阻止していたことが7日、明らかになった。麻生太郎首相は11日から来日するロシアのプーチン首相と日露原子力協定調印で合意するが、協定締結は両国の攻防の末の妥結策でもあった。 07年2月28日、来日したフラトコフ露首相(当時)は安倍晋三首相(同)と会談し、原子力協定の交渉を始めることで一致した。2日後、「ロシアのアルミ王」と呼ばれた富豪デリパスカ氏が、首相随行団から離れ、技術者を伴って日本製鋼所室蘭製作所(北海道室蘭市)を視察した。 原子炉の心臓部の圧力容器は、継ぎ目を極力減らすため巨大な鋼塊をプレスして造る。原子炉は大型化しているが、同製作所は世界最大の約600トンの塊を造る技術を持ち、他の追随を許さない。 技術に驚嘆したアルミ王は、関係者に言った。「あの会社の株を取得できないか。買収した
在日華人の応暁雍さんが経営する保育所には、毛沢東の言葉「好好学習、天天向上(よく学び、日々向上)」が掲げられている=東京都豊島区、上田潤撮影 東京・池袋。駅から歩いて5分の雑居ビルに「永安日本自動車学校」がある。 週末、関東一帯の在日華人が運転免許取得の勉強にやって来る。先生が日本語の教本を中国語で説明し、受講生はメモをとっていた。 日本人と結婚し、昨年、日本国籍を取った遼寧省出身の前田美幸さん(46)が夫と5年前に始めた。自分が自動車学校に通った際、言葉が不自由で免許をなかなかとれない中国人らがいることを知った。運転免許があれば彼らも職に就きやすくなる。数百万円を借りて開校した。 駅のそばには、日本人と結婚した寧波出身の応暁雍(イン・シャオヨン)さん(38)が経営する24時間対応の保育所「愛嬰幼保学園」もある。中国でも保育士をしていた。97年に来日し、00年に川崎市の自宅で中国人
「常に安全性が高まるような対応が重要」と記者会見で述べる泉田裕彦・新潟県知事=7日午後1時35分、新潟県庁東京電力柏崎刈羽原子力発電所の6号機(左)と7号機=新潟県柏崎市、本社ヘリから、高橋洋撮影 07年7月の新潟県中越沖地震で停止した東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(同県柏崎市・刈羽村)のうち7号機が、9日にも試運転を始める見通しとなった。安全性にこだわってきた泉田裕彦知事が7日、運転再開を認めたからだ。しかし世界でも類をみない地震による長期間の停止は、運転再開を認めた行政側にも、認められた電力会社側にも、課題を残した。 「夜中に目が覚めるようなこともあった。相当プレッシャーのかかる課題だった」 普段は自分の心境について語らない泉田知事が7日、胸中を初めて報道陣に語った。県議会全員協議会で、運転再開容認を正式に表明した直後のことだった。 知事には、様々な関係者から早期再開を求める「
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