東日本大震災の被災地で、仏壇を購入する人が増えている。津波で家族を亡くしたり、仏壇が流されたりした人が「お盆までには」と買い求めているとみられ、仙台市の老舗仏具店は「昨年の同時期と比べ、倍は売れているのではないか」と話している。 仙台市青葉区の仏具店「仏壇の佐正」によると、同店では例年の7、8月と比べ約2倍の売れ行き。購入客の半分は被災者で、その過半数は家族を亡くして今年、初盆を迎える遺族という。津波被災地の仏具店は営業を再開していない店も多いとされ、沿岸部から買いに訪れる人もいる。 自宅を流された宮城県気仙沼市の男性は「何としても盆までには仏壇が欲しい」と店を訪れた。町の4割が津波にのみ込まれた県南部の山元町から来店した人もいた。 避難所に身を寄せる被災者が、小さいサイズを求めるケースもある。震災後、避難所で暮らす被災者が多かった時期は、位牌を求める人が目立った。