労働問題の専門家の濱口氏が「労働時間法制への基本的な勘違いについて」と言うエントリーで、圧倒的大部分の経済学者や評論家は、労働基準法の労働時間規制と就業規則との根本的な区別がわかっていないと批判しているのだが、それが難癖だと思う人もいるようだ(ask.fm)。政策判断に影響しないのであれば、どっちだっていいだろうと思うらしい。しかし、理論的に規制と慣行は大きな違いがあり、その差が政策にも影響する可能性は低くない。素朴に考えても、規制されていないモノを規制されていると言うのは藁人形論法だし、規制されていないモノに規制緩和が何かをもたらすとは考えづらい。 経済学的にも両者は区別しておいた方が良いように思える。規制は外生的で、慣行は内生的だからだ。慣行と言っても規制に対応するための慣行の可能性があるから規制と独立な慣行を考えるが、経済学者が大好きな合理的な経済人を考えると、政府が定める外生的な規