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ブックマーク / antimainstreameconomics.blogspot.com (264)

  • 諸国民間の金融緩和、通貨安戦争と不和 英国・ガーディアン紙の挿絵は語る

    私が学生だったころには、マネタリズム(貨幣数量説)は、まともな経済学者なら相手にしない「カルト信仰」だった。もちろん、いまでもそれは質的にはカルトに他ならない。何故か? それは、「他の事情が不変ならば」(ceteris paribus, other things being equal)(という呪文のような言葉から始めまり)、物価は貨幣量(貨幣ストック)に比例すると述べる。数式を使えば、次のような式で示される。 P=MV/Q   P:物価水準、M:貨幣量、V:貨幣の流通速度、Q:生産量 この式は、「他の事情が不変ならば」というのは、VとQが一定ならば、という意味である、ことを示している。 また物価は貨幣量に比例するという表現は、物価が従属変数(結果)であり、貨幣量が独立変数(外生的に決まる変数、つまり原因)ということを含意する。 しかし、人を馬鹿にするのもいい加減にしてほしい、と言いたい

    諸国民間の金融緩和、通貨安戦争と不和 英国・ガーディアン紙の挿絵は語る
    gruza03
    gruza03 2015/11/21
     マネタリズムが「カルト信仰」だということは、昔、私が学生だったころには、よく知られた事柄に属していたのは、理論的に確証されていただけでなく、経験によって裏打ちされていたのである。
  • 費用と所得の関係 常識にして常識にあらず

    多くの人は、普通常識的に、費用と所得とはまったく異なるものと考えている(もののようである)。 確かにある意味で両者が異なることは事実である。例えば、A氏が1000円の費用をかけてモノを生産し、1500円で売った場合、1500円ー1000円=500円がA氏の所得となり、1000円が費用である。つまり常識的には、費用と所得はまったく別物である。また費用を節約すれば(圧縮すれば)、所得が増えるという関係も正しい。(ただし、これはその他の条件が等しいならばという条件つきである。) しかし、視点を変えて、今度は、例えば B 氏が A 氏から1500円でモノを買う場合を見てみる。この場合、B 氏にとっては1500円は費用以外の何物でもない。つまり購入したモノが消費財であれば、生活のための費用であり、別のモノを生産するために買った原材料ならば、生産費の範疇に入ることになる。 また A 氏に1000円のモ

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    gruza03 2015/11/08
    個々の経済主体(家計、個人、企業、政府)が費用を節約さえすれば、社会全体でもムダをはぶくことができ、所得を増やすことができるというのは、まったくの嘘である。
  • アメリカ人の「自由市場」とは何か? ヴェブレン『企業の理論』の説明

    ヨーロッパの多くの人から見ても、アメリカ人、そしてかなりの程度までイギリス人(イングランド人)が相当な変り種であることは、よく知られている。経済の世界では、それはアメリカ人が原理的な「自由市場」論者であり、所有権と「契約の自由」を神聖にして譲り渡すことのできない「自然権」と考えるといった法的・政治的な態度によく示されている。 例えば、アメリカは、先進国で唯一、労働・労働市場に関する ILO の多くの条約を批准していない。15歳未満の児童労働の禁止を定めた ILO の規約は批准されていない。またその他の「契約の自由」に抵触する規約にいまだに批准されていないものがある。 こうした態度・観念はいったい何に由来するのだろうか? これについて、『有閑階級の理論』で有名なT・ヴェブレンは、『営利企業の理論』(1904年)で、次の二つの歴史的事情をあげている。 その一つは、17世紀、つまりイングランドで

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    gruza03 2015/11/03
    政府が介入しても自由な市場が存在していると感じているほど、政府の介入は普通になっているのである。
  • 所有権の経済学理論 ヴェブレン『営利企業の理論』第4章「営利原則」

    所有権または私的所有権は、経済学的にはどのように基礎づけられるか? 今日、多くの経済学者は、この大問題を迂回するのが普通であり、真面目に取り上げないが、言うまでもなく歴史上は最大の問題であったし、現在もそうである。 この問題は、マルクスにとどまらず、ヴェブレンもケインズも論じている。ここでは、あまり触れられることのないヴェブレンの『営利企業の理論』(邦訳は『企業の理論』、小原敬士訳、勁草書房)の第4章「営利原則」を見ておこう。(若干訳を変える。) (ヨーロッパ)中世には、所有権は次のように捉えられていた(とヴェブレンは言う)。それは「慣習上の権威」がおおよその根拠であり、権利、権能、特権などはここに由来していた。所有権は上位者(優位者)と下位者(劣位者)に分化しており、優位者は習慣によって守られた武勇によって力を保持し、権利の委譲によって劣位者の権利の主張に根拠を与える。両者の関係は、「人

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    gruza03 2015/11/02
    「自己労働にもとづく私的所有」は、「金融市場に参加し、人を雇用し、解雇し、あるいは自分の思い通りの賃金を支払う権利という意味での所有権」とは決して混同できないものである。
  • 「共生」(symbiosis)関係と歴史的妥協 労使関係の歴史的概観

    「共生」という言葉(term)がしばしば使われる。この言葉は二つの起源を持つように思われる。(ただし、共通する点も多いように思われる。) 第一は、「共に生きる」という表現に示されるように、共生は、人々が平和的に恊働しつつ生きるという倫理的な意味合いをもって語られる。これは例えば明治・大正時代の浄土宗の僧侶、椎尾弁匡の「事事無碍の法界縁起」という仏教思想にもとづく「ともいき」の思想・運動に通じる。縁起というのは、すべての事象は、それ自体として他の事象から独立して存在する実体(すなわち自性、self-ness)ではありえず、むしろ相互に依存しあって生起している(dependent-rising)(したがってものごとの境界は相互に溶け合っている)という意味のようである。この相互依存性の思想は、現代の経済学、現実世界を理解する上でも重要であろう。現在でも主流派の伝統的経済学(新古典派)は、社会(他

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    gruza03 2015/11/02
    大企業が貨幣賃金を支払って諸個人を雇用する「企業者経済」である。いちいち名指ししないが、現代の経済学者には、このことを忘れたり、あるいは意図的に粉飾することに腐心する経済学者がいた
  • 現在と将来 ケインズの「不確実性」と現存の状態を持続させる慣性力

    当然のことであるが、私たちは常に現在の時点で行動する。経済行動についても同様である。未来はまだ来ておらず、過ぎ去った過去は取り戻せない。 しかし、よく考えると、現在の瞬間瞬間における私たちの行動は、一方では、人々が過去になした行動の経験とその帰結を調査することによって得られた情報・知識に依存しており、他方では、将来に関する何らかの知識に依存している(はずである)。 例えば企業が設備投資に関する決定を行ない、次いで実行する場合には、あるいは労働者を雇用する決定を行い、次いで実行する場合には、これまで出来事についての情報を、それがどれほど不完全であろうとも、獲得し、分析し、また将来に対する一定の期待にもとづいて、自分たちの経営行動を実行に移すはずである。過去および将来の知識なしに、経営行動を決定することは自殺行為に他ならない。 ケインズもまたそのように考えた。たしかに将来については、まず一つに

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    gruza03 2015/11/02
    つまり私たちの将来についての知識は、多くの場合、あるいはほとんどの場合と言ってよいかもしれないが、まったく「不確実」(uncertain)である。
  • 賃金圧縮が続く日本経済 欧米諸国から見たら異常な事態は何故続くのか?

    すでに多くの論者が明解に示しているように、欧米諸国から見て、近年の日経済が異常な(あるいは特徴的な)状態にあることは、説明するまでもないかもしれない。このブログでも何回か取り上げたが、日に特徴的な事態とは、名目賃金がほとんどまったく増えないという事実にある。これは日全体の賃金総額についても、従業員一人あたりの賃金率(一年間または一時間あたりの賃金額)についてもあてはまる。 これが日の特徴であり、欧米では必ずしもそうではないことは、例えば米国の例を見るだけでも納得できるだろう。 そこで次に米国の BEA (経済分析局)のデータから作成した図を2つほどあげておく。 まず図1は、従業員一人あたりの名目賃金率 w(年間賃金/年)と労働生産性 y(従業員一人あたりの実質国民生産)を示す。 図から名目賃金率(貨幣賃金率)が概ね労働生産性の成長率より早いペースで上昇していることがわかる。(ちなみ

    賃金圧縮が続く日本経済 欧米諸国から見たら異常な事態は何故続くのか?
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    gruza03 2015/11/02
    物価はたしかに「貨幣的現象」であるが、それは現代の「企業者経済」「営利企業体制」では賃金が貨幣的現象であることと関係している。
  • ケインズの「乗数」 なぜ式 m=I/Y で示されるのか?

    1937年論文は、ケインズがなぜ(設備)投資 I を独立変数的に取り扱い、「乗数」を式(m = I/Y)で示したのかを、説得的に説明している。 もし私たちが将来の変化について確実かつ正確に知っており、かつ投資 I が将来期待される消費支出 C に比例的に行なわれるならば(I=kC。したがってまた産出額=総所得に対しても比例的に行なわれるならば 、I = mY)、不均衡(失業など)を拡大するような経済の変動は生じがたいだろう(つまり、乗数 m=一定)。 しかし、 投資が単に消費支出の変化に対応するのではなく、消費支出以外の不確実な諸要因によって大きく左右されるならば、乗数自体が大きく変動し、それにともなって経済の均衡・安定にも大きな変化が生じることとなる。このような不確実な要因による投資量と乗数の変動という事実こそがケインズの真意だった。 ケインズの乗数は、単純にある特定期間における産出高=

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    gruza03 2015/10/30
    乗数自体が大きく変動し、それにともなって経済の均衡・安定にも大きな変化が生じることとなる。このような不確実な要因による投資量と乗数の変動という事実こそがケインズの真意だった。
  • ケインズによる『一般理論』の解説(1937年論文) 3

    ケインズによる『一般理論』の解説(1937年論文) 3 要約 産出高全体の需要と供給、資財と消費財の産出高 伝統的理論と私との次の相違点は、産出高全体の需要と供給の理論を作り出す必要はないという伝統的理論の明らかな確信に関係している。すぐ上で述べた理由で生じる投資の変動は、産出高全体に対する需要に、したがって産出高と雇用の規模になんらかの影響を及ぼすだろうか? 伝統的理論は、この質問にどのように答えることができるだろうか? 私の考えでは、それはまったく答えることができず、この問題に一つの思想を与えることがなかった。有効需要、すなわち産出高全体に対する需要の理論は、百年以上もの間ずっとまったく無視されてきたのである。 この問題に対する私自身の答えは、新しい考察を内包している。私は、有効需要が二つの要素ーー上で説明したように決定される投資支出と消費支出ーーからなるという。さて、消費支出の量を

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    gruza03 2015/10/30
    換言すれば、それは秘密裏に、貨幣政策とは利子率を完全雇用と両立できる水準に維持するための政策であると想定してい想定していたのである。それは雇用が変動しやすい一般的なケースを取り扱うことができない。
  • ケインズによる『一般理論』の解説(1937年論文) 2

    ケインズによる『一般理論』の解説(1937年論文) 2 要約 著者(ケインズ)が先行理論と異なるいくつかの明確な点、利子論の再説、投資の不確実性と変動 リカード派の分析が私たちの長期均衡と呼ぶものにかかわっていたことは一般的に認められている。マーシャルの貢献は、主に、これに限界原理と代替原理を接ぎ木し、それとともに長期均衡の一つの立場を別の立場に移すいくつかの議論を行なったことにある。しかし、彼はリカードゥと同様に、使用される生産要素の量は所与であり(与えられており)、また問題はそれらが用いられる方法とそれらの相対的な報酬を決定することにあると想定していた。エッジワースとピグー教授、そして後の他の同時代の著述家たちは、生産要素の供給関数の形状の異なった特徴がどのように事態に影響するのか、また独占および不完全競争の状態で何が生じるのか、社会的と個人的利益とはどれほど一致するのか、開放システム

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    gruza03 2015/10/30
    価格に対するどんな影響も利子率の変化の最終的な帰結としての反響〔影響〕によって産み出される。
  • ケインズによる『一般理論』の解説(1937年論文) 1

    今から78年ほど前に、ケインズは、雑誌 Quarterly Journal of Economics, February, 1937. に, 『雇用、利子および貨幣の一般理論』の解説を掲載しました。英語版の全集には掲載されていますが、日語訳はまだ出版されていないようです。そこで私の訳を3回にわけて載せておきます。(誤訳、不適切訳があると思いますが、適宜改訂したいと思います。) 要約 『一般理論』における以前の論点にかかわる四つの議論に関するコメント 一九三六年十一月に刊行された私の『雇用、利子および貨幣の一般理論』に関する四つの寄稿についてクォータリー・ジャーナルの編集者に感謝する。これらの寄稿には批判が含まれており、その多くを私は受け入れ、そこから便益を受けることを望んでいる。タウシッグ教授のコメントに私が同意しないことはない。レオンチェフ氏は、彼が「同次性の公準」と呼ぶものに対する私

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    gruza03 2015/10/30
    利子率の上昇は、増加した流動性選好を満足させるための貯蔵増加に対する代替手段である。
  • 世界戦争はなぜ起こったのか? 1 ケインズはかく考えた

    第一次世界大戦は、欧米主要国だけに限ると、独墺土vs英仏露伊米の間で戦われた「総力戦」(total war)だったことは、言うまでもない。その直接のきっかけとなったのがセルビア人によるオーストリア皇太子の殺害事件だった。そして、この事件に対して、オーストリアはセルビアに10箇条の最後通牒をたたきつけ、セルビアはほぼこれをのんだものの、殺害事件の調査・裁判をオーストリアが行なうことだけは、主権の侵害として拒否した。ここから事態は急速に展開し、あっというまに同盟国(ドイツとオーストリア)と協商国(ロシア、フランス、イギリス)の総動員体制、宣戦布告合戦へと突入した。さらに同盟国でありながら、中立をきめこんだイタリアが協商国側に参加し、1917年のロシア革命・帝政崩壊後にアメリカ合衆国が協商国側に参戦した。 戦争開始当時(1914年 8月)、ロシアドイツもどの国も遅くとも秋までには、戦勝の報に接

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    gruza03 2015/10/25
    国際貿易は外国市場で販売を強い購入を制限することによって国内の完全雇用委を維持するための捨て鉢の手段とな,ているが、たとえそれが奏功したとしてもそれはただ失業問題を競争に敗れた隣国に転嫁するだけである
  • 労働報酬(賃金)の増えないGDPの増加はない

    前回、社会全体の生産額(付加価値額)あるいは所得額が(個人経営を考えないと)賃金プラス利潤(W+R)に等しくなることを示した。 したがってGDP(国内粗生産)や国民所得(National Income)が利潤も賃金も増えずに増加することはありえない。また、現実の経済的メカニズムを考えると、賃金の増加なしに、利潤だけが増えることは考えずらい(まずない)。 よく、「景気が回復してくれば、(例えば)1年後か2年後に賃金も増えてくるでしょう」などと言うエコノミストがいた(現在でもいるかもしれない)が、その人たちは、まず利潤が十分に増えたあとで、次に賃金が増えるとでも考えているのだろうか? そのようなことを頭の中で想定することは勝手だが、現実にはほぼありえない。 論より証拠。アメリカ合衆国と日の統計を比べれば、そのことがわかるだろう。 図は、国民粗所得の最も重要な構成部分をなす雇用者報酬(賃金の他

    労働報酬(賃金)の増えないGDPの増加はない
    gruza03
    gruza03 2015/10/25
    とりわけ賃金を引き上げることが経済にとって好ましい影響を与えることは、世界の多くのまともな経済学者によって明らかにされている。
  • 労働側に「対抗力」を! ジョン・ガルブレイス

    先のブログでも書いたが、資と労働が分離している現代の経済体制では、資(大企業、経営者、株主)の「力」は強力であるが、個々の労働者はその大企業体制の前に無力である。 しかも、企業は「競争」を理由に(もちろん、その競争が現実のものである場合もあるが、単なる「泣き」や「脅し」の場合もある)、労働条件の引き下げ(あるいは引き上げの拒否)を強要する。さらに政府がそれに同調して雇用の柔軟化(労働市場の規制緩和)を押し進めている。 近年、「ワタミ」「ユニクロ」などブラック企業が横行しているのは、こうした状況のためである。 したがって、働く人々が安心して働き、住むことのできる社会をつくるためには、労働側に「対抗力」(アメリカの伝説的な経済学者ジョン・ガルブレイスの言葉)をつけなければならない。 対抗力は、完全雇用の実現、最低賃金の引き上げ、失業保険制度の充実、解雇規制(の撤廃反するたたかい)、低賃金・

    gruza03
    gruza03 2015/10/25
    近視眼的には労働条件を引き下げることが国際競争にかなうように見えるかもしれないが、事実は逆である。日本のひどい経済状態は労働条件の低下に起因している。
  • 所得分配を論じない主流派の経済学 社会科学の「裸の王様」

    世に経済学の教科書や入門書は多数ある。中には「サルでも分かる」と銘うったものもあるが、サルに分かる経済学など大した内容ではないだろう。 それはさて、不思議なことに、現在の経済では、人々は所得を、しかもほとんどの場合、貨幣所得を得ることを目的としているにもかかわらず、所得分配を実相に即して論じていない経済学の教科書や入門書があるのが驚きである。 いったい何のための経済学なのかと、驚くばかりである。 さて、所得とは何か? 出発点のところで、簡単に言えば、それは収入(売上げ)から物的費用を差し引いたものである。付加価値と言い換えてもよい。 所得=付加価値=収入ー物的費用 ここで経済学の父といわれるアダム・スミス『諸国民の富』の説明を取り上げよう。 スミスは、彼が想定したような古い時代、つまり人々が労働者(職人)と資家・企業者(主人)に分かれる以前の時代には、資(道具や原材料など)も自分で生産

    gruza03
    gruza03 2015/10/25
    Y=W+R=Q(生産)=D(有効需要)=(CL+CK)+I この式はまた、所得分配について論じることなしには、経済(成長、発展、構造など)について語ることができないことを示している。
  • これが本当の安倍氏の経済政策の結果です。 3

    いま一つ、二つデータ(グラフ)を上げておきます。 統計は、財務省の法人企業統計からのものです。 まずは、内部資金(減価償却費+内部留保)。これは企業が粗利潤(減価償却費を含む利潤)から会社の内部に留保しておく部分であり、来は設備投資などにあてるものです。そこで、グラフでは実物投資額と合わせて記してあります。 1997年頃までは、実物投資額が内部資金を超えています。これは当時、企業が活発な設備投資を行なったことを示しています。特に1980年代末〜1990年代初頭まで実物投資が膨らんでいますが、これは勿論金融・資産バブルによる資産効果の影響。つまり、資産(土地、家屋、株式など)の価格上昇により「豊かになった」と感じた人々が消費を増やした結果、企業も生産能力を拡張しようとして設備投資を行なった結果でした。 しかし、バブル(泡沫)があえなく崩壊したのち、・・・ 設備投資は50兆円ほどに急落し、そ

    これが本当の安倍氏の経済政策の結果です。 3
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    gruza03 2015/10/14
    本当に必要なのは、上で触れた所得分配の構造を改革することでしかありえません。
  • 閑話休題 アベノミクス・アベノポリティクス寸劇場

    閑話休題、マスコミにも登場する著名人と同名の人たちの会話です。 会話はフィクションですが、実際の出来事と関係なくはありません。ご注意ください。 1 アベノミクス(異次元の量的緩和 実施前) 白川「黒田さん、いっとくけど、日銀の市中銀行へのマネタリーベースが大幅に増えて   も、市中銀行の貨幣供給は増えるとは限らないよ。消費は低迷しているし、賃金は上  がらないし、企業も設備投資しないからね。それに大企業には賃金を押さえつけ実現  した巨額の内部留保があるからね〜。僕もしかたなく量的緩和をやったけど、効果が  なかった。」 黒田「失礼だが、あなたの場合は、迫力がなく、国民に熱意が伝わらなかった。今回は、  安倍晋三君も一生懸命スローガンを国民に伝えているし、私の声も元気があって大き  い。」 白川「違いはそれだけ?」 黒田「そうだ。何事も精神力だ。バーナンキ【米国FRB議長】もそう言っている

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    gruza03 2015/10/10
    米側「日本の景気悪い。これ賃金デフレです。」
  • これが本当の安倍晋三氏の経済的帰結です。 2

    実に安倍氏が政権についた2013年に家計の貯蓄はマイナス(3.7兆円)を記録しました。戦後はじめてのマイナスです。これは家計の所得(その多くは賃金所得)が消費支出をまかなうに足りず、貯蓄を取り崩す(または借金をする)ことによってカバーしたことを意味します。たしかにそのような事態をもたらした一つの要因が、貯蓄を取り崩して生活する高齢者の増加にあったことは否定できないでしょう。また生産年齢人口(15〜65歳)の人々がプラスの貯蓄を行なっていることも疑いないでしょう。しかし、貯蓄が1997年以降趨勢的にずっと減少してきたことなどを考えても、きわめて大きな要因が低賃金労働の拡大にあったことはまず否定できません。(この詳しい検討は、後日、行なう予定です。) 残念ながら、2014年、15年については、当該数値を知ることができませんが、この間の実質賃金率の低下、まさにアベノミクスによる円安・輸入品インフ

    これが本当の安倍晋三氏の経済的帰結です。 2
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    gruza03 2015/10/10
    企業が貨幣賃金を抑制するため、国内消費が増えず、そのため企業が生産能力を拡大する理由がないからです。これはマクロ的に見ると、日本の企業はお互いに頚を絞め合っている状態といったら分かりやすいでしょうか。
  • これが本当の安倍晋三氏の経済政策の帰結です。

    安倍晋三という人物の知性は様々な人によって疑われており、私ももちろん疑っています。一例を挙げると、彼は自著で「法律の支配」という言葉を臆面もなく使っています。「法の支配」なら私も知っていますが、法律の支配とは何でしょうか? マックス・ヴェーバーは、私も共訳者の一人となった大論文「ロシアにおける外見的立憲制」(名古屋大学出版会、1999年)で、ロシアの民主主義の状態について論じ、「法の支配」をほぼ法=正義、すなわち人々の「自由と諸権利」の上に成立する政治社会体制という意味で使っています。彼は1906年にロシア皇帝が発布したロシア帝国基法がこの理念に照らして、「外見的立憲制」に過ぎないことを示しました。(ちなみに、当時のロシアは君主制(の帝国)でしたので、「民主主義」ではなく「立憲制」という用語を使っています。) さて、安倍氏のいう「法律の支配」とは何でしょうか? それは彼が2013年以来行

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    gruza03 2015/10/10
    「異次元の量的緩和」策を唱えるリフレ政策論者の研究グループへの接近についてです。従来、日本国内ではリフレ派に接近する自民党政治家はほとんどいませんでした。ところが、唯一現れたのが安倍晋三だっという話
  • 風刺画にみるアベノミクス 2 戦争立法

    違憲の戦争立法は、ついに衆議院と参議院で強行採決された。 アーミテージやナイのようなジャパン・ハンドラー、彼らの代表する米国の軍産複合体は日の軍事費増加を喜ぶだろう。また世界中のミリタリストや右翼勢力も喜んでいるようだ。もちろん、世界中のリベラル派・民主派・平和主義者は悲しみ、同情し、怒っている。 それはさて、日経済は重篤の状態に陥っている。財政赤字は毎年拡大し、政府の粗債務(残高)も累積的に増加している。軍事費の増加は、人々の可処分所得を圧迫し、経済をさらに悪化させるだろう。 政府と経団連は、武器輸出の拡大をはかっているが、そのような「死の商人」の活動は世界の平和を脅かし、海外における日人をいっそう危険の状態においやる。 日の観光業の経営者、従業員は自分の生活のためにも、戦争立法の廃止のためにがんばりましょう。 巨額の軍事に押しつぶされる日経済 アベノミクスの第二の矢は、軍事費

    風刺画にみるアベノミクス 2 戦争立法
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    gruza03 2015/10/05
    日本経済は重篤の状態に陥っている。財政赤字は毎年拡大し、政府の粗債務(残高)も累積的に増加している。軍事費の増加は、人々の可処分所得を圧迫し、経済をさらに悪化させるだろう。