タグ

ブックマーク / hongokucho.exblog.jp (16)

  • Summers-san and Bernanke-sama=クルーグマン教授は辛辣だなあ | 本石町日記

    バーナンキFRB議長に厳しいクルーグマン教授だが、その辛辣さは嫌味の敬称である「さん」を「様」に格上げして度を増している。さらに、批判の矛先を広げ、今度は「サマーズさん」と相成った。こちらの「The Trap We’re In (Wonkish)」というエントリーである。「流動性の罠」なのに金融財政政策の大拡張をためらう当局への不満がサマーズ&バーナンキコンビに炸裂した格好だ。まあ、いつもの論調なのだが、ポイントは以下の通り。 ・インフレ率は下がり、デフレが現実味を帯び、われわれは「流動性の罠」に深く突っ込みそうだ。 ・このため、FRBが様子見姿勢にあるのはとても間違いである。 ・非伝統的手段は今やれ、今やれ、今やれ(連呼) ・財政ももっとやるべきだった。今やるべきことを十分やらないと、解決はより困難になる ・哀しいのは、政策当局者はこのことを知っていると思われることだ ・だって、FEDは

  • 「日本国債がデフォルトした場合の危機管理について」という田村先生の質問について | 本石町日記

    田村耕太郎先生は、その元気で前向きな姿勢は評価しており、頑張っていただきたいのだが、政権与党の先生としては、日の日銀総裁らに対する以下の質問は状況設定が危険であり、マーケットの地合いによっては今後まずくなるリスクもあるので、簡単に解説したいと思う。 まず質問内容はブログから引用するが以下の通り。 「日国債がデフォルトした場合の危機管理について。 論点は幾つかあるでしょう。ただ、ここでも日銀は保有資産の多様化を要するのではないでしょうか。価値の保全と、対応手段の多様化の両面からです。 また、国債のフォルトの際に、円が信任を失えば、日企業は海外決済が出来なくなり、即死する恐れがあります。銀行等が保有している国債の残高も大きく、信用不安が急速に進行する恐れがあります。これは、数時間、あるいは数十分で進行するので、事前に充分な検討と、危機管理対策をマニュアル化しておかねばならないと考えます。

  • 財政赤字がマーケットネタになっている件 | 本石町日記

    このところ財政赤字が債券マーケットでネタになっている。政権が民主党になり、バラマキ→財政悪化という構図が描かれやすいため、マスコミも長期金利の上昇はある意味、おいしいネタになっている。ただ、今回は国内よりも海外のマスコミが騒いでいる感じが強く、これに乗じて外資系ファンドもオプションとか使って債券ショート方向で仕掛けている様子がうかがえる。で、どうなるのか、の考察である。 私は、積極的な財政出動論者ではないが、結論的に言えば、まだ当分は財政リスクプレミアムが格発生する状況ではなく、今回の金利上昇を深追いする向きは最終的には全滅を余儀なくされるのではないか、と思う。理由は、①金融機関はなお運用難のために国債を買わざるを得ない②そしてデュレーションを徐々に伸ばして行かざるを得ない③なんだかんだ言ってホームバイアスは強力な状態が続く-ため、過去と同様に金利上昇は長続きせず、再び低下基調に戻ると思

  • 特オペ止めて時間軸(緩和)カードを切るとは…=日銀決定会合概況 | 本石町日記

    やっぱり「日銀心と秋の空」でありましたね。前回会合のエントリーで紹介したように、某紙S氏に 「『日銀心と秋の空』ではないが、時にこの中央銀行はハシゴ外すこともあるから要注意よ」と忠告しておいたのが、たまたま会見後にS氏と一緒になった。激しく納得しておられたようです。外され方がある意味見事でしたので。この中央銀行の土壇場の心理は微妙なので、近接戦になると危険。適当に距離を置くのが無難と思っております。 で、今日のポイントは以下でありましょう。まずは、調節方針のステートメントに注目。 「1.当面の金融政策運営 当面、現在の低金利水準を維持するとともに、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を通じて、きわめて緩和的な金融環境を維持していく。 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、以下のとおりとする。 無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.1%前後で推移するよう促す。

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/10/31
    潜在成長率の大幅引き下げ。物価の下落幅を縮めるために下げたように見えて仕方ない、というのがもっぱらの見方
  • SDRは機軸通貨としては不完全=IMFを「世界の中央銀行」にする必要 | 本石町日記

    ドルに替わる機軸通貨として注目されるSDRだが、当にそうなのか。この点について、野村総研の井上哲也主席研究員が論点をまとめているので簡単に紹介したい。結論から言えば、現状のSDRは機軸通貨としては不完全で、基軸通貨とするにはIMFを「世界の中央銀行」にする必要がある。議論は「第2次大戦直後のケインズの主張にまで戻ることになる」(井上氏)わけだ。 ポイントは以下の通り。 ①ドル相場に左右されない運用通貨としてSDRに期待しても、それ自体は主要通貨の合成で、だったら運用通貨を分散すればよいだけ。「SDRのウエイトは公表されている上に、SDRの構成国の資産(国債等)は総じて高い流動性を持つので、SDRと同じ通貨構成のポートフォリオを運営することは難しくない」わけだ。 ②米国の金融政策に左右されない外貨資産としてSDRを保有するのも、上記と同様のことが当てはまる。「SDRのように固定ウエイトで外

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/07/29
    現状のSDRは機軸通貨としては不完全で、基軸通貨とするにはIMFを「世界の中央銀行」にする必要がある。
  • 民主党政権が外貨準備を振り回すと世界経済の超巨大黒鳥になるのではないか、と思った件 | 本石町日記

    恐らく民主党政権になるのだろう。で、新政権になって多少政策運営で混乱しようが、日人が自分で選んだ政権なのだから、自己責任原則である。これは仕方がない。去年は日銀総裁人事が野党の突発性何でも反対症候群に見舞われ、たまげた結果になってしまったが、これもまあドメスティックな問題であって、外界から見ればなんだかよく分からんことやっているね、という見せ物を提供したようなもの。だが、世界が笑っては見ておられないことが一つだけある。我が国の「外貨準備」である。 政権がどうあれ、この扱いは要注意である。介入のやり方にはいろいろ異論はあるかもしれないが、基は通貨安定の結果として積み上がったシロモノであり、決して運用の発想を持ち込むものではない。いくら外貨準備の規模が膨大であろうが、運用資産ではないので「リスク」というものはない。強いて言えば、将来のもしかしたら起こり得るかもしれない通貨防衛に際し、戦略備

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/07/22
    将来のもしかしたら起こり得るかもしれない通貨防衛に際し、戦略備蓄的な介入用外貨原資として十分かどうか、--> バッファーとしては超十分なのでしょう。
  • 債券が買われると過熱とかよく言われるのだが…=大機小機の追記 | 本石町日記

    追記 日(9日付)の「大機小機」のカトーさんは良かったです。ほぼ100%アグリー。私と年代近いですね。金融政策では立場は違えど、切り込みの鋭さに感服ですが、この年金世代間格差の問題ではほぼ同調でありました。読んでスカッとしましたよ。 または債券バブルとか言われることもある。さらには、金利が下がってくると、「いずれ金利が上がって金融機関は大損失を被る」などといった不安を煽る論調も出る。一般的にマーケットはいろいろ動くもので、「ここが絶対に正しい」という水準はない。金利は運用部やVaRなどのショックのように希にしゃっくりを起こして乱高下するが、大まかには景気に沿って動いており、今は不況なのだから下がる方向は別におかしくはない。長期金利は一時0.4%まで下がったのだから、達観すると今はまだレンジ圏であろう。 ものすごい長いスパンで考えると、日経済は衰退期に入った可能性があり、人口減少・競争力

  • 外貨準備が円貨準備なら…=民主党の人の発言 | 本石町日記

    既にドラめもんさんがくさしておられ、やや出遅れのネタですが、ドルはこれ以上買えない、との民主党の中川議員(シャドー財務相)の発言についてつらつら考えてみた。まあ、信用が落ちると見込んでいる国家の負債は何建てであろうと価値は揺らぐように思うのだが、それはさておき今後は円建てなら買う、という意味について。 もともと外貨準備は外国為替平衡操作(つまり円の安定)の結果によって増減する。円の不安定化は二つの方向がある。円高と円安。円高が行き過ぎ(不安定化)なら、円売り・外貨買い(ドル)の介入を行い、この場合は外貨準備は増大する。逆に円安が行き過ぎ(これも不安定化)なら、逆の介入となり、外貨準備は減少する。 この原則を踏まえると、円安定化の結果として持ってしまった外貨準備はいくら膨大であろうと、その価値がどうなろうが、まあ達観すれば気にする必要はない。なぜなら円の安定が重要であるからだ。持ってしまった

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/05/15
    ①円高が苦しいから介入した②その結果(外準膨張)が不安だとあがくようなものだ。起点は①で、①が重要だったから②が生じた。①は逆の可能性がある。円安(暴落)である。このとき、②はバッファーとなる。
  • 「国は破産しない」と「仕組み債」のニ題について | 本石町日記

    15日と16日の大機小機についての簡単な感想。 15日は越渓氏の「日国は破産しない」。コメント欄でも指摘されたやつです。国債が多いのは、国民が国債を買い、その金融資産が増えることなので国は破産しない、だから国債をドンドン出して財政をバッと出せ、という主張。 財政は、日のようにホームバイアスが強く、経常黒字国であるなら、そう簡単には破産しない。ただ、ものには限度があって、企業・家計が困窮化して預貯金取り崩しが優勢になると間接・直接に国債を買う余力は乏しくなり、やっぱり国債増発にはどこかに限度があるようにも思う(それがどこかは不明確だが)。 私が財政問題でよく思うのは、土光臨調のことである。数年前、NHKでメザシの土光さんが再放送されたのだが、番組の中で当時のニュース場面があり、アナウンサーが「財政赤字が深刻であり…」と言っていた。で、そこに出ていた国債発行残高は80兆円ちょっと。これで大

  • 中央銀行の戦況分析、現在は「金融システムの防衛戦」=マネタリーベース膨張の裏側 | 本石町日記

    クルーグマン教授のエントリーに多少関連する形になるが、壮大なバブル崩壊に見舞われたマクロ経済を救う戦いにおいて、中央銀行の戦況がどうなっているかを考察してみた。一般的に中央銀行が持てる武器は「金利操作」で、その金利操作を実現するために「オペ」という手段がある。 まず、バブルが崩壊してマクロ経済が悪化し始めた。これに応じて中央銀行は「金利」を引き下げ始めた。そして現在はゼロに近いところまで来ている。「金利」で経済を救う戦いはほぼ終わりつつある。同時に、中央銀行が展開した別な戦いは「懸命の流動性供給」である。 流動性需要が猛烈に発生したのは、バブル崩壊によって金融市場が壊れ、金融機関の資金繰りがひっ迫したため。中央銀行は金融システムの安定化を図るため、各種の「供給オペ」を駆使して膨大な資金供給を展開した。壮絶だったのはFRBで、金融システムに関連深い各種のマーケット戦線が同時崩壊に近い状態に見

  • 本日の「十字路」は良コラムです=でも「大機小機」は… | 本石町日記

    良い話と悪い話。どちらを先にしましょう? 後味良くするため悪い話から。 日の「大機小機」は下の続編的な内容。やっぱり筆者は同じではないのかと思ったのだが、前回のびっくり利上げ論は「十字路」&富民氏というコンビだったのに対し、今回は「十字路」&癸亥氏という組み合わせ。十字路氏と富民氏と癸亥氏がそれぞれ違う人だとすると、メジャー紙に寄稿するほどの著名人の中に少なくとも3人の利上げ論者がいるわけですね。困りました。 主張内容を簡単にまとめて反論しようかと思ったが、止めます。 良い話。日の「十字路」は良かったです。みずほ証券の高田氏によるものだが、「インフレの衣をまとったデフレ」というタイトルは言い得て妙である。供給ショック的であっても物価指数が上がってくると、どうしてもインフレ期待は強まらざるを得ない。ただし、その裏側では実体経済は低迷を続け、投機的要因のはく落で供給ショックによる物価上昇が

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2008/08/21
    同感
  • 「大機小機」の富民さんはもしかして…=供給ショック下の金融政策論の整理 | 本石町日記

    日の「大機小機」は富民氏。「超低金利・円安政策の転換急げ」と題する内容は、下の下のエントリーの最後で取り上げた日経夕刊コラムとほぼ同じであった。富民氏と夕刊コラムニストはもしかして同じ方なんであろうか。筆者が同じでも同じじゃなくてもどうでもいいのだが、富民氏の主張で技術的な観点で興味があるのは「低金利政策で過去4年間にわが国が海外に供給した資金は64兆円」、「31兆円が購買力平価を下回る円安の結果だ」などの数値的な算定根拠。どういう計算をして、その計算は妥当なのか。 夕刊コラムと大機小機の共通しているのは、原油高をもっぱら投機筋のバブルとみなしていること。バブルの側面が大きいとしても、バブル的になった質的な原因である「需給ひっ迫」に焦点を当てないと問題の質を見失う。この点、日の日経夕刊コラムで野村アセットの榊経済部長の示した分析が的確であろうと思う。即ち、原油は天然資源であるがゆえ

  • 最近、感心した優れモノ=このシステムは凄い | 本石町日記

    米国がドル防衛色を強めてマーケットがまたぶっ飛んでおりますが、日は在庫ネタを一つ。思い立った時に書いとかないと忘れたり、誰かに書かれたりしてしまいますので。今回のネタも大分前に書こうと思っていたが、まごまごしているうちに愉快痛快奇奇怪怪さんに取り上げられてしまった。そう、コマツのKOMTRAX(コムトラックス)というシステムである。 最初に目にしたのは日経新聞(5月27日付)の景気討論会の記事。この中で、コマツの坂根会長が「コマツが米国で売った建設機械をGPSで把握すると、稼働時間は3-5%しか落ちておらず、実体経済も底打ちするのではないか」と述べていて、へぇー、凄いシステム持っているんだ、と感心した。優れモノとしては、ヒゲの濃い私は害債さんの紹介したジレット5枚刃に感心したが、このコマツのシステムは別の意味で凄い。 もともとはメンテナンス用のシステムとして構築したのだろうと思うが、稼働

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2008/06/12
    コマツが米国で売った建設機械をGPSで把握すると、稼働時間は3-5%しか落ちておらず、実体経済も底打ちするのではないか
  • 「あるMBAの憂鬱」を「アリとキリギリス」で考察してみる、の巻 : 本石町日記

    あるところで、ある人と知り合いになった。民間大手に務めるその人は、厳しい社内選抜を経て米国へMBA留学し、帰国後は部で働いている。最も脂の乗った働き盛りの(私から見れば)若い世代なのだが、ちょっと疲れて、ややブルー(憂)な感じがあり、いろいろと話す中で「どっか良いところないすかね」とボソッと呟いた…。 その人の仕事内容は以下のようなもの。 ・偉い人に対する各種ブリーフィング(初歩的なものから難しいものまでレベルは雑多) ・偉い人が対外的に何か発言するときの問答作り(ありとあらゆる場面を想定) ・いろいろなところとの調整(対内的) ・いろいろなところとの調整(対外的) これを聞いて私は言った、「それって日銀で言えば企画局の仕事だよ」と。日銀の「金融士」、じゃないや(苦笑)、「企画士」らは上記の内容を日々黙々(多分)とこなしている。多くがMBAorロースクールor海外当局(機関)への留学を

  • 「金融士」構想への疑問=現場は既に十分優秀であろう(追記あり) | 本石町日記

    金融庁が「金融士」構想を明らかにした。こちらである。詳しくは当該ページの「具体的な内容」のファイル(http//www.fsa.go.jp/news/19/sonota/20080430.pdf)を参照して頂きたい。 当ブログで何度か指摘していることだが、「労働者」としての日人の質は決して劣ってはおらず、むしろ高い(と私は思う)。「現場は優秀だが、経営がダメ」or「現場が優秀だからこそ経営がダメ」で、これは「実務は超優秀だが、政策がダメじゃん」の日銀をみると良く分かる。 で、金融士構想である。まず「金融機関の多くは、高度な金融商品・サービスの提供という点で外資系金融機関の後塵を拝しており、また、金融商品取引法施行時の混乱に見られたように、金融監督当局と金融機関、事業会社等の現場との間で、必ずしもコンプライアンス意識の共有が図られていない状態にある」との問題意識がある。 そのうえで「国際金

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2008/05/02
    現場をいくら優秀にしても野党が支離滅裂な発想で総裁人事を迷走させたら意味ないじゃないか --- 同感!
  • 前田氏(東レ名誉会長)&グリーンスパン氏に賛同=日経新聞より | 本石町日記

    日の日経新聞、二人の弁に賛同であった。まずは「YENの漂流」の関係インタビューに出てきた前田勝之助・東レ名誉会長の為替に対する考えである。人為的な相場誘導論には賛成しかねるが、全体としての発想は正しいと思った。かいつまんで紹介すると、以下の部分だ。 ・一般的に(円が)強いことは良いことだ。しかし、それだけの実力がないのに(高く)評価されるのは良いこととは言えない。 ・デフレが続いている状況を見れば、ある程度の円安誘導を政府は考えるべきだ。 後者については、私は人為的な誘導をやる必要はないと思っているが、政府は少なくとも円安傾向は容認すべきであろうと考える。円安がもっぱら金利差に根ざした円キャリーによってもたらされた投機(バブル)とみなし、だから日銀の利上げが必要だとする主張は愚の骨頂であろう。繰り返すが、振れやすい為替に立脚した金融政策論はそれ自体が振れやすく、そんなことするなら固定相場

    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2008/01/18
    景気が悪いときは円安にする通貨政策を
  • 1