2000年代も半ばに入ると、少量限定生産の過激なクルマは徐々に姿を消していく。その代わりメーカーのサブ・ブランド的な役割を与えられたコンプリートカーが量産ラインを流れるカタログモデルとなることが増えてきた。絶対的な動力性能よりも環境性能が声高に叫ばれる時代となったことも、影響しているだろう。だが、そんな時代にあっても、量産車の限界に挑んだクルマがあった…。 4つのドア開口部に「連続シーム溶接」という手の込んだ溶接技術を採用したバージョンRスペシャル。堅牢なボディのおかげで、足回りはよく動く。硬いけれど、乗り心地は予想外に良かった。 ベースモデルのバージョンRでも他社のコンプリートカーに匹敵するレベルこのコルトのベースになったバージョンRは限定車ではない。とは言え、WRC規定の変更が取りざたされていた折に、ランエボに代わる次期WRC参戦マシンとして開発が進んでいたクルマをベースに誕生した、知