「容疑者は『殺したのは私ではない』などと容疑を否認しています」 上の文を読んだとき、容疑者にどのような印象を抱いただろうか。「本当はお前がやったに違いない」という印象を抱いたのではないだろうか。 では次の文ではどうか。 「容疑者は『殺したのは私ではない』と容疑を否認しています」 この文を読んだときは「ふーん、犯人はこいつではないのかな?」と、先ほどと比べると、容疑者を犯人と決めつける確度が小さい印象を抱いたのではないだろうか。 こうなる理由は、「など」を使うと言外の意味を読み取る余地を与えるからだ。 文脈とも相まって、前者の文の場合には「容疑者は他に何かを(容疑者に不利なことを)言っていたんじゃないのか」という類推の余地を与える。 たとえば、「矛盾した言い訳」や「明らかにお前がやっただろうというような状況の供述」などだ。 もちろんそんなことは文からは読み取れない。 でも人はお気持ち類推する