近年の計測技術やIoT技術の進歩はいとも容易くビッグデータを生み出してくれます。そして、人工知能などの高度情報解析技術はビッグデータから新たな知識を見つけ出してくれます。まさにビッグデータ時代、人工知能時代の到来です。 しかしながら、生命科学においてはデータを単に集めてくるだけでは、それらを十分に利活用することはできません。複雑性、文脈依存性、曖昧性、などの性質を持つ生命データの場合、そこからの知識発見には大きな困難が伴います。実際、世界には生命科学分野だけでも2万ものデータベースが作られていますが、それらを使いこなすのはバイオインフォマティクスの専門家でも簡単なことではありません。 NBDCは、このような厄介な性質を持つ生命データの共有・整理・統合を進め、データから知識を引き出しやすくする、そのためのナショナルセンターです。我が国の場合、欧米や中国に比べ、プロジェクトの規模が総じて小さい