ロバート・マートンは、「巨人の肩」の格言の起源を十二世紀のシャルトルの ベルナールに求めました。しかし、「巨人の肩」の喩えはシャルトル のベルナールのオリジナルであっても、類似する表現や思想はもっと昔から あってもおかしくないし、むしろ「巨人の肩」の精神に則れば、この格言もまた先人の 肩の上に乗って生まれたものと考えるべきではないでしょうか? もちろんマートンもそう思ったようで、この問題を追求しています。で、結論 (といっても、ものごとの性質上、現時点で信憑性の高い説と言うしかないわ けですが)、ベルナールがその肩に乗っていたのは、六世紀のラテン語文法家、 プリスキアヌス (L Priscianus Caesariensis) だったようです。 プリスキアヌスがなんと言ったかというと、 grammatica ars,...cuinus auctores, quanto sunt iunio