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ブックマーク / kakuyomu.jp (3)

  • ペットボトルを机に置いてください。出来たらあなたは合格です。 - ペットボトルを机に置いてください。出来たらあなたは合格です。(グレブナー基底大好きbot) - カクヨム

    これから最終面接が始まる。 観葉植物が並んでいる小綺麗な廊下で、僕は呼ばれるのをじっと待っていた。膝の上に置く拳に汗がじわじわと滲む。ここまで来るのにどのくらいの手間と時間がかかったことか。 僕はスーツのポケットから小さな鏡を取り出し、ネクタイが曲がっていないか確認する。次にジャケットのボタンを見て、一番下がちゃんと外れていることを確認する。最後にポケットのフタを中へとしっかりしまう。ばっちりだ。 数学科の僕の就活は酷く難航していた。まず、アピールすべきポイントが見つからない。同じ理系でも化学や生物などの実験系の分野は「こういう研究をしました」「新しい事実を発見しました」などの自分の結果がある。しかし、数学科は往々にして研究結果を持たない。厳密には、3、4年大学に通ったくらいでは研究までたどり着けないのだ。 数学科では、ひたすら教科書や論文を読み、先人たちの知恵や知識を頭に蓄える。その作業

    ペットボトルを机に置いてください。出来たらあなたは合格です。 - ペットボトルを机に置いてください。出来たらあなたは合格です。(グレブナー基底大好きbot) - カクヨム
  • The video game with no name(赤野工作) - カクヨム

    未来の世界の未来のゲーマーの語る未来のクソゲーたち。ハチャメチャなアイデアに満ちた未来のゲームを語りながら、そのゲームの背景としての未来の歴史、未来の風景も描写されていく。ゲームレビューという、読者への負荷の軽い文章形式で、バカSF、パロディSF、文明批評SFのような楽しさをしっかり味わうことができます。 そして、笑いながら読み進めていくにつれて浮かび上がってくるのは、語り手自身の、ゲームしか生きる目的を見出だせなかった一人の老人の、孤独な生涯。後半は、ゲームレビューがさながら闘病記のような様相を呈し始めます。 「人はなぜ遊ぶのか」「人はなぜ生きるのか」。そんな二つの問いを、架空のゲー…続きを読む

    The video game with no name(赤野工作) - カクヨム
  • イーガン病 - イーガン病(廉価) - カクヨム

    「おかえり、生物学的兄」 少女の形をした何かがそう言った。帰宅した僕を出迎えたそれは僕の妹なのだった。ただいま、と言いかけた僕の口を胡乱(うろん)げな同意が上書きした。 「お、おう……」 「不自然な発話だったかしら」のかかとに指をかけた僕を見下しながら、妹は続けた。「この観境においての言語標識は、過度に失礼ではない表現に自動調整されているはずだけれど。それともこう言ったほうがよかったかしら。〝おかえりなさい、生物学的お兄ちゃん〟」 今のでわかるように、妹は最近変なのだ。やたらと難解な言葉を含む翻訳調の文体で喋るようになってしまった。まだ高校生であるとはいえ、厨二病という時期でもないだろうに。 妹が言う〝生物学的〟とは、〝血の繋がりがある〟という意味だろうか。そうでなければややこしいので、出来ればそうであってほしい。〝観境〟というのは、ここが仮想空間であるという意味だろうか。それはややこし

    イーガン病 - イーガン病(廉価) - カクヨム
    harapon1012
    harapon1012 2016/05/07
    良い
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