衆院選でほとんど争点にならなかった憲法改正について、選挙後になって改憲派の政党から争点化する動きが目立つようになった。議席を伸ばした日本維新の会の松井一郎代表は「(来夏の)参院選と同時に国民投票を実施すべきだ」と語る。しかし、新しい議会構成での臨時国会が12月から始まる今こそ、立ち止まって考えてみたい。日本国憲法の条文を変える前に、考えるべき憲法問題が目の前にあるのではないか。 総選挙の直後から始まった憲法改正の争点化の動き 衆院選の投開票日から一夜明けた11月1日、岸田文雄首相は記者会見で、憲法改正について「党是である改憲に向け、精力的に取り組む」と述べた。2日には維新の松井代表が参院選で改憲を争点化する姿勢を打ち出し、国民民主党も改憲論議を進めることを維新と確認した。 自民党は、「自衛隊明記」「緊急事態条項創設」「参院選の合区解消」「教育無償化」の「改憲4項目」をまとめており、「憲法改