前回のエントリーからの続きです。 国家とコンテンツの関係に関する話題があった。 やはり、比較の対象となるのはアメリカである。 「アメリカはね。 最近聞いた話では「アメリカンメモリー」という巨大なグランドデザインの元に、各州と各企業がコンソーシアムを組んで、アーカイブ事業を興そうとしているんですよ。 それで、電気とか自動車とかのそれぞれの企業が、例えば電気というアーカイブや車というアーカイブを作る。 また、通信というアーカイブを作る。 あるいは、川というアーカイブを作る。 それを全部「アメリカ人の記憶」という名前のアーカイブにする。 そこがちょっとアメリカのいやらしいところだけど、これが上手いんだよ、あっちは。 日本でそんなことやったらさ、「愛国者」とかって言われるわけだよね。 「右翼ですか?」みたいな。 「日本人の記憶」とか普通の意味で理解されない。 だけど、一旦そういうことをしないと、日
前回のエントリーからの続きです。 ネット時代のコンテンツの共有に関して、音楽業界の人がいいことを言っている。 「かたやコンテンツホルダー側から見ると、YouTubeはもう既成事実としてあるわけじゃない。 で、ぶっちゃけあれに対してどう接していいのかわからないんですよ。 僕も「ネットの違法コピーがこれだけあるから逸失利益がこれだけある」みたいに数字を仮定で算出するバカらしさは理解できるけど、でもじゃあYouTube的な違法コピー認めるの?って言われたら「No!」と言わざるを得ないし、業界はそういう方法でしか身を守る手段がわからないんじゃないかな。 「違法は違法じゃねえか!」っていう。 逆に言えば、行政の側もそれくらいしか提示できないんだよ。 彼らもどうすればいいかわからなくなっている。 だからね。 補償金の議論で言えば、僕は「補償金」って名前に抵抗感のあるユーザーがいるんだったら、じゃあ補償
最近、「CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ」(小寺信良・津田大介著 翔泳社 2007)という本を読んだ。 この本は複数の人との対談集なので、いろいろな人のいろいろな意見がざっくばらんに入っていて、主張点が分散してしまい、内容が記憶に残りにくい。 そこで、この本を僕なりに編集し直して、何が言いたいのかもう少しわかるようにしてみようと思う。 この本はコンテンツの未来を語るというより、コンテンツの今(つまり現実)を語っている部分が多い。 実際にコンテンツの制作に関わっている人を多く集めているのだから当然だけど。 この本は今後現れるであろう新しいタイプのコンテンツについてはほとんど何も言っていない。 多少思いつき程度で語られているものはあるけれど、実は今のテクノロジーですでに実現されているもので、未来のコンテンツと言えるほど発想が飛躍しているものではない
Wikipedia創設者が語る新メディア「Wikia」とは? クリエイティブ・コモンズセミナー「21世紀型オープン・エンタープライズに向けて」 東京・六本木で9月末に開かれたCreative Commons Japan(CCJP)のセミナーに、Wikipediaの創始者であるジミー・ウェルズ氏が参加、ウェブメディア「Wikia」や公開予定の検索エンジン「Wikia Search」を紹介すると共に、その展望を語った。 今回のセミナーは、「21世紀型・オープンエンタープライズを目指して」と題され、同ライセンスを活用した団体・著作者が集い、従来の著作権とは異なってコピーや2次使用を円滑に行うことのできるクリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスを用いた活動の報告が行われた。 Wikipediaから、Wikiaへ ジミー・ウェルズ氏は、「グーグルにとっての悪夢」という刺激的なキャッチコピーと一緒
本ブログでお知らせしたとおり、9/28(金)にApple Store渋谷にてトークイベント「DVJAPAN Presents DVJ BUZZ/SPOT vol.4」が開催されました。 金曜の夜ということもあり店内には大勢のお客さんの姿がありましたが、そのすぐ横で1時間ほど熱いトークが繰り広げられました。 Store内告知ボード Apple Storeらしくクールな告知ボードです。本イベント以外にも面白いワークショップ/イベントが毎日行われていますので、興味のある人はApple Store渋谷のサイトをチェック! http://www.apple.com/jp/retail/shibuya/ トークの様子 壇上左から小寺さん、津田さん、『DVJAPAN』編集長石川さんです。 主な内容は「YouTube以後」の映像制作のありかたについてでしたが、前日のCCJPセミナーの様子や、YouTube
ひさしぶりー CCJPのセミナーに行ってきた。 最近話題のコンミラ関連ですが、津田さん、小寺さんの話は、既にそれぞれが書いてる話とそれほど違わなかった。 http://blog.shoeisha.com/contentsfuture/2007/09/ccjp6seminar.html あのテキストデータの公開の仕方は、著作権者にとっても、ユーザーにとっても、コピーレフトな人々にとっても、相当よくないことは疑いようがない。 でも、そこに反発する二人の言い分にも、納得しきれないところが多々あった。で、思うに、二人は、著作権法の権利制限よりも、広い範囲で使用を認めたいのだけど、表示 - 非営利 - 改変禁止ほど自由にしたいわけじゃないのかなあと。フェアユース、あるいは、それよりもちょっと自由、くらいにしたいんじゃないかと思ったわけです。 で、ccjpの人にもちょっと話したんですが、cc的にフェア
ここ数日、つまり、"孫コピーの禁止"が、がCCライセンスの観点から見ると間違っている、ということを長々と検討してきた。 まずは、まとめ。 ここで注意して欲しいのが、CCのライセンスが付けられているのが、物理物としての書籍であるということである。またライセンスの中に、「継承」が付けられていないことにも注目して欲しい。 これらが何を意味するかというと、コピーするには物理物としての原本が必要であるということである。 クリエイティブ・コモンズに賭けた「コンテンツの未来」 (2/3) まあこの文章は間違っている、ということで、その理由となる事実は以下の通り。 CCライセンスの4条には、孫コピーにも自動的に許諾が与えられることが明記されている。*1 しかし、CCライセンスには、元のCCライセンスと違うことを許諾できるmorePermissionsという仕組みがある。*2 さらにしかし、CCライセンスの
修正・加筆しました。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの条件付加の話 - みうらゆうのうらはてブ『ちょびっと試される。』 # 2007年09月22日 f99aq f99aq Creative Commons 狭めることは CC のライセンスと矛盾しないと思いますが、広げたら矛盾するんじゃないですか? > id:himagine_no9 (中略) # 2007年09月21日 himagine_no9 himagine_no9 2Watchdogs, 著作権, CC, CONTENT'S FUTURE どうも納得いかない。著作者の意志で柔軟にライセンス設定すべきなのは当然としても、CC で比較的広く許諾された複製を追加条件で狭めることが出来るのかどうか。(CC より広げた許諾を「追加」するのなら判る。) はてなブックマーク - 半可思惟 - CCLに追加条件は付けられます 「狭める」「広げ
あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 半可思惟 - CCLに追加条件は付けられます あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 半可思惟 - CCL追加条件考 あそことは別のはらっぱ。 - CCのmorePermissionsはどう使えばいいんだろうか? [対訳] Marking Works Technical - More Rights | CcWiki | anobota 半可思惟 - CCLのmorePermissionsについてまだ続く みうらゆうのうらはてブ『ちょびっと試される。』 - クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの条件付加の話 Digital Rights Description としての CC ライセンス -- Baldanders.info 半可思惟 -
おっとCCの件で書き忘れたより。 あ。事の大元は、CCライセンスを付された著作物の一部をコピーした場合、それについても同様のCCライセンスが適用されるのかという問題のような気がしてきた。 http://d.hatena.ne.jp/himagine_no9/20070923/p3 ことの大元かどうかは別の話、というか、どのことの大元かどうかがいまいちつかめてないので単純に 「CCライセンスを付された著作物の一部をコピーした場合、それについても同様のCCライセンスが適用されるのか」 について書いてみる。 コメントには3つの論点がある、と書いたが。 まず、「どのCCライセンスを付されたの?」ということ。 次に、「著作物の一部なの?」ということ。 最後に「それってどれ?」ということ。 最後に言った部分、それ、というのは、考えられる対象が2つあって、それは、 コピーした部分だけ コピーした部分と、
私はまだ読んでいないのだが(だって積読状態の本が山ほどあって...), 『CONTENT'S FUTURE』に適用されている CC ライセンスを巡って面白い議論になっているようだ。 (最近は CC-license (CC ライセンス)という表記が一般的みたい。 なので, この記事でも CC ライセンスという表記で統一する) いや, 最初はあまり興味なかったんだけどね。 なんか話が大きくなってるみたいで面白くなってきたし。 (← 対岸の火事が大好き) クリエイティブ・コモンズに賭けた「コンテンツの未来」 事案自体は平凡なもの。 『CONTENT'S FUTURE』には by-nc-nd ライセンスが適用されているが(目次のみとかじゃなくて著書全体にライセンスを適用するのは日本ではきわめて異例), それを見てある方が本を OCR でディジタル化(つまりフォーマット変換を伴う逐語的コピー)しよう
あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 半可思惟 - CCLに追加条件は付けられます あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 半可思惟 - CCL追加条件考 あそことは別のはらっぱ。 - CCのmorePermissionsはどう使えばいいんだろうか? CCLのmorePermissionsについてまだ続く ←今ココ さて、f99aqさんからブクマコメントをいただきました。 狭めることは CC のライセンスと矛盾しないと思いますが、広げたら矛盾するんじゃないですか? > id:himagine_no9 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20070920/1190220064 暇人
ええー、昨日のエントリで、 じゃあmorePermissionsでどういう風にすればその意志を表示出来るのか、というのはそういうことを知っている人から聞けたらうれしいのだけど。 と書いたら、その元ネタを書いた半可思惟のinflorescenciaさんがエントリを起こしてくれた。それについて、補足というかなんというか、まあ思ったことを。 主な著者は2人いる。 「著者としてもCCでは細かい規定は出来ないと思っているふしがある」という該当箇所は津田さんのこの発言だと思われます http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20070921/1190314597 えーと、これ共著なので、著者は2人いる。もう1人は小寺さん。前の前のエントリを書く発端となったITmediaの記事を書いた人。その発言は例の書き起こしを使って示せば、以下の通りです。 例えばその、今ネットで全文
半可思惟 - CCLに追加条件は付けられますの続き。shidhoさんがお返事のエントリーを書いてくれて、しかも結構な量の文字起こしまでしてくれました。 あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 労をとってくれたことに感謝。どうもありがとうございます。やっぱり音声より文章の方が検証可能性が上がりますね*1。 津田さんも知らなかった さて、私がCCLにあわせるより著作者の意思表示の方が優先でしょうと述べた件につき 下記文字起こしにあるように、著者としてもCCでは細かい規定は出来ないと思っているふしがあるので、じゃあmorePermissionsでどういう風にすればその意志を表示出来るのか、というのはそういうことを知っている人から聞けたらうれしいのだけど。 というお返事がありました。「著者としてもCCでは細かい規定は出来ないと思っているふし
半可思惟 - CCLに追加条件は付けられますより。 いえ、CCLに追加条件は付けられます。morePermissionsというスキーマがそれ。 なるほど。 わかりやすく教えることよりも柔軟な著作者の意思表示の方が優先でしょう。それで意思を曲げるのはおかしい。 とはいうものの、下記文字起こしにあるように、著者としてもCCでは細かい規定は出来ないと思っているふしがあるので、じゃあmorePermissionsでどういう風にすればその意志を表示出来るのか、というのはそういうことを知っている人から聞けたらうれしいのだけど。 というか、自分、今回こうやって指摘されるまで、CCライセンスってものは、著者がある程度自分の意志を曲げ意図しない利用にも目をつぶってわかりやすく表示することで、利用者に自由*1な利用を促すのが目的の一つだと思ってました。そういうもんじゃないのか。 野口: みなさん、こんばんは。
あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 このエントリの主旨であるところの疑問については、小野寺さん(訂正。ご指摘ありがとうございます。失礼いたしました)小寺さんの言っていることは半分合っていて半分ちょっと勘違い、もしくは表現がうまくないのだと思います。ライセンスが継承しないのでコピーのコピーは想定できないのですが、原本を買うように要求はできません。でも、だからと言って原本を買え、とは誰も言ってない…。 さて、枝葉のところで反論。 さらに言うと、一度CCを選んだ以上、そういう追加条件を付けるのは「利用者に許諾条件をわかりやすく教える」というCCの理念に反するんじゃないだろうか? いえ、CCLに追加条件は付けられます。morePermissionsというスキーマがそれ。 Permissions beyond the scope of t
Web 2.0は我々の文化を殺すのか?(その2) 2007年9月19日 ITカルチャー コメント: トラックバック (1) (これまでの yomoyomoの「情報共有の未来」はこちら) 前回に引き続きアンドリュー・キーン『The Cult of the Amateur』を取り上げますが、最終章を除く章毎の要約が Casual Thoughts にありますので、内容の紹介は今回もそちらに譲らせてもらいます。アマチュア礼賛による表現や批評の質低下、無料モデルがもたらず既存ビジネスの破壊、匿名性による信頼性の欠損、特定企業への情報集中による監視社会——いやはや、よくぞここまでインターネットを負の方向から描いたものです。 実は当方は、この ktdisk さんの要約を読み、「なんだ良い本じゃないか!」と驚いたクチです。もちろん当方も大雑把に読んではいましたが、しれっと出てくる気取った嫌味や的外れな罵
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