三菱重工業は25日、カナダの航空機大手ボンバルディアから小型機「CRJ」事業を買収することで合意したと発表した。5億5千万ドル(約590億円)で事業を取得し、2億ドルの債務も引き受ける。ボンバルは民間旅客機事業から撤退し、ビジネスジェットや鉄道事業に経営資源を集中する。三菱重工はボンバルのCRJ事業の保守や顧客サポート、販売、型式証明などを継承する。米国とカナダの4カ所のサービス拠点も引き継ぐ
三菱重工業は、会社設立のきっかけとなったいわゆる「祖業」の造船事業を抜本的に立て直すため、事業を会社本体から切り離し、分社化する方向で検討していることを明らかにしました。 造船事業は会社設立のきっかけとなったいわゆる「祖業」ですが、三菱重工は抜本的に立て直すには事業の責任を明確にし、他社と提携しやすくする必要があるとして、事業全体を会社本体から切り離し、分社化する方向で検討に入りました。 会社はことし7月までに結論を出す方針ですが、提携に向けた協議をしている国内トップの今治造船や、大島造船所、それに名村造船所の3社との間で部品の共同購入などによるコストの削減を進めたいとしています。 造船事業は、三菱財閥の創業者で初代社長の岩崎弥太郎が133年前の明治17年に政府から長崎の造船所を借り受けてスタートし、旧日本海軍の戦艦「武蔵」を建造するなど、会社の歴史そのものと言える事業ですが、大きな転換期
大手機械メーカーの「三菱重工業」は、納入の延期が続く国産初のジェット旅客機=MRJを開発する子会社「三菱航空機」の社長を交代させ、体制を一新して開発を加速することになりました。 MRJは、主要な部品で設計の見直しが必要となったことから、航空会社への納入時期について「来年の半ば」としていたのを「2020年半ば」とし、5度目となる延期を発表しています。 三菱重工は、体制を一新して遅れているMRJの開発を加速することにしたもので、三菱重工の宮永俊一社長は記者会見で、「グループとしてMRJの開発を進めていくことの表れで、組織をまとめるのに水谷さんが適任だ。社員の皆さんにもう一回、頑張ろうと思ってもらうための人事だ」と述べました。 一方、三菱重工のグループ全体の去年4月から12月までの9か月間の決算は、MRJの開発費の増加や客船事業の採算の悪化などで112億円の最終赤字となりました。
大型客船事業から撤退を決定も、まだ残る高リスク案件 2016年10月18日、三菱重工業(7011)は、累計約2,300億円超の特別損失を計上した大型客船事業から撤退する方針を明らかにしました。この決断により、造船事業がこれまでのように赤字を垂れ流し続けるリスクは大きく後退したことになります。 とはいえ、同社にはまだいくつかの懸念案件が残っています。そのため、18日の会見では造船事業の見直し策の発表に加え、事業リスクマネジメントの強化についても詳細な説明を行っています。 ちなみに、現在同社が直面している大きなリスクは、(1)米国の原子力発電所の事故に伴う訴訟問題、(2)小型旅客機MRJの事業化に伴うリスク、(3)日立製作所との南アフリカにおける発電所案件の損失負担を巡る係争、などです。 発表資料を見ると、(1)についてはこれまで通り「今年度末までに概ね決着」、(2)については「事業化推進体制
三菱重工業は、低迷している造船事業を立て直すため、設計のやり直しや火災による納期の遅れで2300億円を超える損失を計上した、長崎造船所での大型客船の建造を凍結する方向で検討していることがわかりました。 このため三菱重工は、長崎造船所で手がけてきた大型客船の建造は今後凍結し、需要があるLNG=液化天然ガスの運搬船の建造などに事業を絞り込む方向で検討していることがわかりました。また関係者によりますと、船の設計などを行う部門を本社から切り離し分社化することも検討しているということです。 三菱重工の造船事業は去年の建造量が国内10位にとどまり、造船事業の絞り込みと同時に、建造量で国内トップの今治造船や大島造船所、それに名村造船所の3社と提携交渉も進めていて、今後、船の設計や開発で関係を強化したいとしています。
三菱重工が2000億円以上の赤字を出すなど、大型クルーズ船の建造に大苦戦。これにより日本から大型客船建造のともしびが消えるのではないか、という危惧があるなか、業界3位の常石造船グループが新規参入を表明しました。海に囲まれた日本の船造り、いま、ひとつの転機を迎えているかもしれません。 日本で業界3位の企業 広島県に本拠を置く常石造船グループが2016年4月、客船事業参入の意向を明らかにしました。2020年の就航を目指し、乗客数400人、3万総トン級のクルーズ客船を建造することを軸にしたものです。三菱重工の苦戦によってともしびが消えるかもしれないと懸念された日本の大型客船建造事業が、これにより新たな局面に入るかもしれません。 常石造船は広島県福山市に本社・造船所を持つ、いわゆる「専業造船会社」です。中国・浙江省の舟山市とフィリピンのセブ島に、それぞれ大型外航船に対応する造船所を展開。それらを含
驚くほど細身で、しなやかささえ漂う「白地に赤く」彩られた機体は、前脚が滑走路から離れるや、グイと大空を見上げた。「空の青」に鮮やかに溶け込み始めた、操縦席直下に映える「日の丸の赤」に感動したのも瞬く間、頼もしい爆音とともに、かなたへと消えていった。国産初となるステルス戦闘機開発に向けて《心神》は22日、初陣を飾り、眼下に広がる濃尾平野が「若武者」の門出を祝った。心神は、防衛省の発注で三菱重工業などが製造する《先進技術実証機》の愛称であるが、誰が付けたか分からぬものの、富士山の別称とは心憎い。航空自衛隊・小牧基地(愛知県小牧市)を飛び立った心神は30分後、空自・岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸を果たしたが、国戦闘機開発の再生は緒に就いたばかり。わが国を取り巻くキナ臭い情勢を観察すれば、かつてわが国が掲げたスローガン《翼強ければ国強し》を、再び強力に実行する時代を迎えた。 日本航空史の屈辱「大
三菱重工業、IHI、川崎重工業の重工大手3社は工事トラブルが相次ぎ、多額の損失を計上するなど強みとされてきた技術力が揺らいでいる。工事トラブルの原因は、工期の見通しの甘さや、取引実績のない海外顧客との調整不足、単純ミスなどさまざまだ。各社はリスク管理を高めると同時に、これまでのものづくりの手法を見直そうとしている。 「ものづくりの低下が否めない。今は緊急事態だ」と、自社の技術力に危機感を募らせるのは、IHIの斎藤保会長兼最高経営責任者(CEO)だ。同社は愛知工場(愛知県知多市)で建造実績のない掘削船を受注したが、発注元が何度も設計変更を要求。作業工程が混乱し、海洋設備の建造にも遅れが生じた。インドネシアのボイラー工場では、溶接材を取り違える信じられないミスで石炭火力発電所の工事をやり直した。 これらの工事トラブルで2016年3月期連結決算で最終損益が300億円の赤字に転落する見通しだ。
三菱重工の大型クルーズ客船「AIDA Prima」が建造の遅延、度重なる不審火、1800億円以上の赤字という難産のすえ、ようやく発注者へ引き渡されました。同社は大型客船を製造できる日本で唯一の企業ですが、いったいそこで何が起きているのでしょうか。日本から消える大型客船建造の灯火、それをいま、否定しきれない状況になっています。 非常な「難産」になってしまった大型クルーズ客船 2016年3月16日と22日、三菱重工業が主要新聞5紙に掲載した全面広告が話題を呼んでいます。同社の製品群をカラーで紹介したものですが、建造の大苦戦が伝えられていたドイツ・AIDAクルーズ社向け客船「AIDA Prima」を完成(14日)させ、第2船を進水(21日)させたばかりのタイミングにもかかわらず、そのラインナップには「船」がありませんでした。 三菱重工は“客船建造をもう諦める”ということなのでしょうか。同社は、大
国産ジェットMRJの初飛行に沸いたばかりの三菱重工業で、2015年末にかけて異変が相次いだ。 子会社の三菱航空機が開発する国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の納期を延期すると思えば、長崎造船所で建造中の豪華客船の納入が大幅に遅れ、巨額の損失を出している。提携するフランス原子力大手の経営不振を巡っては、支援要請を受けてハムレットのように悩む......といった具合だ。日本を代表するハイテク製造業で何が起きているのか。 MRJ初飛行成功後に4度目の納入延期 MRJは当初、2011年の初飛行、2013年の1号機納入を計画していたが、設計の見直しなどで初飛行が5回延期され、2015年11月11日にようやく初飛行に成功、日本初のジェット旅客機ということで大いに注目された。 それからわずか1か月半。三菱航空機は15年12月24日に、2017年4~6月としていた初納入を1年
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