JR東日本が計画を進める羽田空港アクセス線(仮称)は、早ければ2029年度の開業をめざしている。東京駅方面(東山手ルート)、新宿方面(西山手ルート)、お台場・千葉方面(臨海部ルート)の3ルートを整備し、同社が関東一円に持つ路線網を生かして、広い範囲から東京国際空港(羽田空港)へのアクセス輸送を提供しようという計画である。 湘南新宿ラインは山手貨物線や品鶴線などの貨物線をフルに活用したルートで運転系統が設定されている ■羽田空港アクセスに貨物線を活用 各ルートが合流し、最終的に羽田空港へ達する東京貨物ターミナル~羽田空港間では、約5.0kmの新線が建設される予定であるが、このプロジェクトの根底を支えているのは国鉄時代に開業した貨物線のネットワークである。新線区間の起点、東京貨物ターミナル駅は、その名の通り、東京における鉄道貨物の拠点駅であり、各方面を結ぶ貨物列車がいまも頻繁に発着している。