タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (9)

  • 長期の家計調査・消費の割合が急低下した訳 - 経済を良くするって、どうすれば

    「豊かな社会になると、お金が好きになって、あまり消費をしなくなる」として、長期停滞の理由に擬せられたりするが、長期の家計調査を眺めると、それはちょっと違うということになる。確かに、料消費に充てる割合は減少してきたが、それ以外の非料消費の割合は、50年間に渡って、ほぼ一定だったからだ。それを覆し、消費の割合を急低下させたのは、アベノミクスになってからである。 ……… 下図で分かるように、料消費の割合は、傾向的に低下していたが、1997年のハシモト緊縮財政の後、デフレの長期停滞に入ると下がらなくなった。他方、非料消費の割合は、ほぼ一定である。残差の貯蓄は、むしろ、デフレになってからは減り気味だ。つまり、お金が好きになったから、長期停滞になったとは言いがたい。消費を減らしてお金を貯めるようになったのは、アベノミクスでのことだ。 「非料消費が一定」というのは、赤羽隆夫が発見した非常に重要

    長期の家計調査・消費の割合が急低下した訳 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 緊縮速報・破綻懸念をよそに財政は急速に回復 - 経済を良くするって、どうすれば

    12/20に公表された7-9月期資金循環では、一般政府の資金過不足が季節調整値で-5.4兆円まで縮まり、一気に前期から6.1兆円改善した。水準は2014年頃と変わらないレベルである。むろん、同日に成立した補正予算の執行によって、再び不足幅が拡がるとしても一過性で、コロナ前のGDP比-2%程度を超える健全財政へ向かう。財務次官の破綻懸念どころか、先々の急速な緊縮による成長の委縮が心配されるところだ。 ……… 誰かの借金は誰かの貯蓄であるから、7-9月期は、政府の借金が減った分、家計と企業の貯蓄も減って、コロナ禍前に近いレベルに戻ってきた。海外は借金が幾分少なくなっている。リーマンショックの際は、政府の高水準の「赤字」が長く続いたが、今回は、谷が深かったものの、戻りは早い。それとは裏腹の関係となる企業の過剰についても、異様さが尾を引いた前回とは違い、短く済みつつある。 財政収支が改善した背景に

    緊縮速報・破綻懸念をよそに財政は急速に回復 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 緊縮速報・増税で却って財政再建に遅れ - 経済を良くするって、どうすれば

    では、消費増税が目的化しているので、経済成長どころか、財政再建すら犠牲にして推し進められる。増税後、景気対策の支出が剥落した段階の2021年度の基礎的財政収支のGDP比は-2.0%と、増税前の2018年度の-1.9%より、わずかながら悪化する。これでは、何のための消費増税なのかと、脱力してしまう。増税で成長を低下させ、他の税収が減るのを、消費増税で補う形なのだ。財政収支が改善しないなら、純増税なぞ試みない方がマシではないか。消費増税そのものにサディスティックな喜びを感じるというのでないならね。 ……… 1/17に「中長期の経済財政に関する試算」が公表された。世間的には、2025年度に財政再建の目標を達成できるかばかりが注目されているようだが、経済的には、財政収支は、ゆっくりでも改善していれば、リスク管理には十分である。実際、基礎的財政収支のGDP比は、2015年度に-2.9%だったもの

    緊縮速報・増税で却って財政再建に遅れ - 経済を良くするって、どうすれば
  • 歴史に学ぶ資本主義の未来 - 経済を良くするって、どうすれば

    歴史的に金融は悪徳とされてきた。成長なき時代にあっては、利子を払い続けることには無理があり、そうした約束は、身の破滅を呼ぶものだったからだ。乏しさが普通の世界では、分かち合いが倫理であり、強欲は排されねばならない。利益の追求が許されるようになるのは、成長と豊かさが当然になって以降で、近代の割と新しい価値観である。それだけに、成長が失われれば、価値観までが問い直されることになる。 ……… FTの名物コラムニストのジョン・ブレンダー著『金融危機はまた起こる 歴史に学ぶ資主義』を読み進めるうち、オチが見えるような気がした。やはり、結語は、「資主義は最悪の経済の仕組みだ。ただし、これまで試されてきたすべての経済の仕組を別にすれば」であった。では、資主義は、どこがマズいのか。自然発生的であるから、絡み合う現実そのものというところもある。これを切り分けねばならない。 資主義の原動力は、事業欲で

    歴史に学ぶ資本主義の未来 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 内需不振? だって緊縮してるもん - 経済を良くするって、どうすれば

    シムズ理論を巡り、「ちょうど良い放漫財政なんてできるのか」といった議論で賑わっているが、実際、日が足元で放漫をしているのか、緊縮をしているのかについては、まったく、お留守だ。3/18公表の日銀・資金循環によれば、バブル期以来の財政再建を達成した模様である。これだけ緊縮しているのだから、財政破綻を心配したり、なぜ内需が不振なのかと悩んだりすることもなかろう。タコツボから頭をもたげ、経済の全体を眺めれば、容易に分かることである。 ……… 財政再建を声高に叫ぶ人は、財政しか見ていない。知見の出元になっている財政当局は、担当することがすべてだからだ。しかし、政府全体では、社会保障基金、要は公的年金だが、これが黒字を出しているので、赤字幅は、かなり縮小する。10-12月期の資金循環で、一般政府の資金過不足を見ると、年換算額のGDP比は-2.0%である。この水準は、リーマン・ショック直前を超え、おそ

    内需不振? だって緊縮してるもん - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費が動くとき・昔と今 - 経済を良くするって、どうすれば

    10/17に消費総合指数がようやく更新され、8月は前月比-1.2の大幅減だった。ここまで落ちるとは思わなかったよ。結果として、7,8月平均は、前期比-0.1であり、9月がV字で戻しても、7-9月期の消費は前期比で若干のプラスにとどまる。「一気に景気回復の様相」には、なかなか行かないね。いずれにせよ、今週金曜には、9月の結果も出てくる。 ……… 消費はフラついたが、生産活動は順調に伸びている。10/19発表の8月全産業活動指数は、前月に続き上昇し、7,8月の平均は前期比+0.5となった。10-12月期の前期比-0.1から、1-3月期+0.1、4-6月期+0.3と歩んできたので、徐々に加速していることが分かる。なかでも、景気の牽引役である住宅、公共、輸出の動きは、もっと明確で、三つを合成した指数を下図で示すと、この3か月の回復ぶりは顕著だ。消費も7月は良かったので、8月の不調は残念であった。

    消費が動くとき・昔と今 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 2015年度税収の見どころ - 経済を良くするって、どうすれば

    4月の消費総合指数が公表され、前期比+0.3と順調だった。興味深いのは、1-3月期の前期比が+0.7に上方修正されたことである。消費総合指数にはうるう年調整がされており、世間で思われているより、1-3月期の消費は強かったことになる。むろん、10-12月期の-0.9の後ではあるものの、4月の水準は、秋から冬にかけての底割れから脱し、昨夏の平均値を上回るところまで来ている。 ……… 消費増税の延期を以って国会は終わり、選挙後の焦点は、秋と目される補正予算の規模に移った。それを占うには、7月初めに明らかとなる2015年度の税収上ブレがどの程度かを見る必要がある。税収上ブレの範囲内で補正予算を組めば、赤字国債を増発せずに済むので、現実性が高いからだ。 一応、上ブレは1.1兆円と予想しているが、5月分の税収の結果を待つ今となっても、不確定要素が大きい。まず、所得税は、補正予算から更に2200億円程度

    2015年度税収の見どころ - 経済を良くするって、どうすれば
  • アベノミクス・10-12月期は内需総崩れ - 経済を良くするって、どうすれば

    12月の家計調査は、二人世帯の実質消費支出(除く住居等)の季節調整済指数が93.6という惨憺たる結果だった。前月比は+0.9でも、消費増税直後の2014年4月と同水準という内容だ。GDPの6割を占める消費が10-12月期の成長率を大きく下げるのは確実で、鉱工業指数の動向からすると、その他の内需も総崩れの様相を呈している。消費増税に続く、2015年度の8兆円に及ぶ緊縮財政は、異次元緩和第2弾もものかわ、成長抑圧に絶大な威力を発揮したことになる。 ……… 家計調査は、11月が消費増税直後の底さえ割る異常な低さだったので、大きなリバウンドを願っていたが、やはり、そうはならなかった。12月の商業動態の小売業は、前月の急落に続き、前月比-0.2であり、鉱工業指数の消費財出荷は、低かった前月から+0.3でしかない。これらを踏まえると、10-12月期GDPおける民間消費は、前期比-0.5より大きな減少を

    アベノミクス・10-12月期は内需総崩れ - 経済を良くするって、どうすれば
  • アベノミクス・続くゼロ成長ぺース - 経済を良くするって、どうすれば

    消費が振るわないね。5月並みの水準に戻っても、7-9月期はゼロ成長になる可能性があるとしていたけれど、それに7月は届かなかった。希望は、勤労者世帯の実質実収入で高めの数字が出たこと。よくあるブレとは思うが、8月があまり落ちず、消費性向が戻れば、良い数字もあり得る。むろん、消費が増せば、在庫が減る状況にあるので、成長の確保がなかなか厳しいことに変わりはない。 日経済は、一気の消費増税によって、成長が屈折し、ほとんど伸びなくなってしまった。無闇な需要の吸い上げを行った結果であり、成長力を高める戦略うんぬんを語るのが虚しくなる大失態だ。行過ぎた緊縮を緩めるには、政府税調が指摘するように、 若年貧困層の負担軽減策が必要だろう。もともと彼らの税負担は少ないのだから、それは必然的に社会保険料還元型の給付つき税額控除に類するものとなる。 ……… 7月の家計調査は、二人以上世帯の実質消費支出(除く住居等

    アベノミクス・続くゼロ成長ぺース - 経済を良くするって、どうすれば
  • 1