私が蘇(そ)の存在を意識し始めたのは、中学生の頃 内容が全く頭に入って来ない日本史の授業で唯一、教科書にアンダーラインを強めに引いたのが「蘇」という単語でした。 どうしても4時間目の授業はお腹が空いてしまうため、私は教科書に載ってある食べ物の写真ばかりを眺めては、授業そっちのけでその味を想像して、空腹をしのいでいました。 特に「蘇」という食べ物に関しては、今までに見たことも聞いたこともない、未知の味だったので、私は「蘇の味を想像する」事で、日本史の授業を乗り切っていました。 そもそも蘇とは 日本におけるチーズの歴史は、西暦650年の飛鳥時代にまでさかのぼれると言われています。 この時代におけるチーズは、「蘇(ソ)」という呼ばれ方をしていました。蘇の作り方はごく単純で、牛乳をひたすらに煮詰めて作ったものです。 蘇は非常に高価で貴重なものでした。そのため、蘇は庶民の口には入らず、一部の上流階級