1月28日、米ボーイングは今年の人員削減目標を1万人に引き上げた。だが年配者の多くは対象にはならないようだ。同社には1990年代終盤、希望退職を募った結果、熟練労働者が不足した記憶が残る。国際人事担当ディレクター、リチャード・ハートネット氏は「同じ状況には陥りたくない」と語る。そのため、今回は削減対象を会社側が選ぶ。 驚くべきことに、現時点では報酬も医療費コストも比較的高い年配の従業員を引き留める企業が多い。「年功が重要なのだ」。高齢化と雇用が専門のボストン・カレッジ・スローン・センターを率いるマルシェ・ピット・キャシューフェ氏は指摘する。 米労働統計局のデータがそれを裏づける。55歳以上の就業者数は景気後退が始まった2007年12月から2008年末までに約90万人増加。対照的に25歳~54歳の就業者数は290万人減少した。年配の就業者の割合が高まる一方、若者の割合は急低下したのだ。 直近