かき揚げは安い。かき揚げは高い。 さて、どっち? …正解は「どっちも」だと思う。 安さと早さがウリである立ち食い蕎麦屋にも、伝統と技が自慢の老舗天ぷら屋にも、かき揚げは同じように存在する。 値段はまさにピンきりだが、肝心の味はどうなんだろう? 具は? 衣の加減は? サクサク感は? 集中的にかき揚げを食べて、そのへんのところ、探ってみました。 (高瀬 克子) シブイところから攻めてみた まずは、老舗の蕎麦屋にやってきた。 天ぷらそばを注文するとエビ天が乗ってくる店もあるが、ここのはかき揚げだ。 安くない蕎麦屋(1,600円。はっきり言って高い)のかき揚げは、果たしてどんなもんなんでしょう。 天ぷらそばとお酒を注文すると、やたら愛想のいいおばちゃんが新聞を持ってきてくれた。 なんか…、嬉しい。いっちょまえの大人として扱ってくれることが嬉しくて、尻のあたりがムズムズしてくる。