新聞やテレビなど、既存のメディアに対する不信感が高まっている。不信感はなぜ生まれたのか。その背景に何があるのか。ドイツ生まれの文筆家マライ・メントラインさんは、SNSを駆使した既存メディア攻撃によって右派政党が躍進したドイツと日本の共通項を挙げ、「極論」の影響力とその危うさを強調した。(聞き手 共同通信=佐藤大介) ▽生活が苦しいのは?ドイツ人が飛びついた単純な「答え」とは ドイツでは2024年9月に行われた旧東側3州の選挙で、排外主義を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が主要政党を抑え、第1党や第2党に躍進しました。閉塞感が主要政党への反発につながり、増加する難民の排除を叫んだAfDが若者を中心に支持を集めた結果です。 AfDは、TikTok(ティックトック)などの交流サイト(SNS)を利用した政策のアピール戦略で他党を圧倒しています。政党でのSNSの活用にはルールがありま