脱サラして親父がやっていた喫茶店を継いだ そこそこの常連がいる、片田舎の沿岸部で工業地帯のため大手チェーンは参入してこないだろう、その割に工場関係の客も多い、というのが決め手になった 幸い継いでからは嫁子供に不自由させることなく生活しているが最近、思わぬ落とし穴で躓いた 親父がやっていたのは所謂純喫茶、新聞と週刊誌を少し置いてご自由にどうぞ、というようなスタイル タバコを吸いながらスポーツ紙を読み、飯を食う職人の常連もいる だがこのじいさん、十年後も通っているのか?という懸念から若者向けに漫画も置くようになった 最初はワンピースから、次に鬼滅の刃、呪術廻戦、進撃の巨人など話題作を置いていった 意外と手に取る客も多く、腰が曲がったじいちゃんが進撃の巨人を読んでいた時にはびっくりした これが功を奏しじわじわと若い客も増えてきたのだが、店にある漫画を完読する客も増えてきたのだ するとパタッと来な