韓国勢が世界の家電市場を席巻する一方、日本メーカーの存在感が日ごとに低下している。こうした中で唯一、世界で快進撃を続けているのが日本製の「エアコン」だ。部屋ごとに電源を制御できる日本のダクトレス方式が欧州を席巻、米国でも浸透し始めた。ダクトレス方式はエアコンのデファクトスタンダード(事実上の業界標準)となりつつある。 日本冷凍空調工業会によると、世界のエアコン市場は約9千万台(2011年実績)。このうち旧式を除いて「全体の1~2割を占める」(関係者)のが冷やされた空気を大きな菅(ダクト)で全部屋に運ぶ「ダクト方式」だ。 エアコンの発祥地・米国では主流の方式で、ホールやドームなど大きな1つの空間を冷暖房するのには適している。ただ、建物全体で電源のオンオフや温度設定をしなければならず、部屋ごとの調整ができない。また、設置するためには屋根裏などにダクトをはわせる大がかりな工事が必要となる。 これ