NHKの放送90年ドラマ「経世済民の男」の第2弾が本日5日と来週土曜(12日)の夜9時より放送される。8月に放送された東京制作の「高橋是清」に続く大阪放送局制作の今作の主人公は、阪急・東宝グループの創業者である小林一三(いちぞう。 1873~1957)だ。主演は阿部サダヲ、脚本は森下佳子。ここ最近、NHKの朝ドラ「ごちそうさん」、TBSの日曜劇場「天皇の料理番」といった作品で明治から昭和にかけての時代を描き、高い評価を得てきた森下だけに、やはり同時代を舞台とする本作にも期待が高まる。 小林一三は、単なる企業家・経済人という立場にとどまらず、政界にも進出したほか、文化や人々のライフスタイルにおよぼした影響も大きい。この記事では、ドラマのガイドとして、その多岐におよぶ業績をちょっと紹介してみたい。 “問題社員”だった銀行員時代 小林一三は、1873(明治6)年、山梨県に生まれた。山梨からは、現