事態の深刻性から、FTは2日連続でその関連記事と社説を掲載して米国の独断的な行動を批判した。FTは5月30日「通商法分野で尊敬を受ける韓国人学者・張勝和教授の任期が米国の反対で終わることになった」と報道した後、その翌日の社説の小題目で「WTOの紛争解決手続きを調整しようとする米国は誤っている」と糾弾した。あわせて「WTOに対して絶対してはいけないことは、この機構の権威を損なうこと」と指摘した。横暴に近い米国の一方主義を正面から批判したのだ。 --特定国が拒否権を行使できるか。 「WTOの前身はいくつかの第2次世界大戦連合国が結成した『関税と貿易に関する一般協定(GATT)』で、この時から全員一致の伝統が守られてきた。この伝統のために、WTOも全員一致を覆すことはできない慣行と感じている。だが、一つの国が強力に反対すれば多数案が拒否されるということではない。一人で反対しても裁判官再任を防げる