2001.9.11の米同時多発テロ以降、アメリカがアフガニスタン戦争、イラク戦争とひたすら戦争への道を突き進む中、日本もまたそれと歩調を合わせるように「戦争のできる国」へと変貌しようとしている。特に昨年、北朝鮮による拉致問題が明るみになって以降は、「北朝鮮の驚異」をテコにその勢いはますます加速している。それまでは市民の強い抵抗に阻まれた有事法制や個人情報保護法は、彼らの喉元に「不安」という恐怖を突きつけることで、あっさりと成立してしまった。今や、日本で「反戦」を叫ぶことはマイノリティな行為なのかもしれない。 ロック・ミュージックは、それが生まれたときからずっと、個人が自由を獲得するための表現方法だった。だからこそ多くのロック・ミュージシャンは時として国家権力に反抗し、差別 を否定し、戦争に反対してきた。久しく「平和ボケ」と言われてきた日本人は、いつの間にか身近になってしまった戦争に対して、