→紀伊國屋書店で購入 「ホンモノよりもリアルな「のりもの絵本」の世界へ」 かつて、「のりもの絵本」というジャンルがあった。鉄道を筆頭に、自動車や飛行機といったさまざまな乗り物が、おおむね小学校入学前か低学年の子ども向けにわかりやすく、描かれた絵本であった。 本書の解説を担当している関田克孝氏によれば、およそ明治中期から大正期にはその萌芽が認められ、戦前に一時的な発展を見たのち、戦時色が強まった時代を超えて、戦後に特に大きな発展を見たジャンルであるという。まだ敗戦の痛手を引きずっていた終戦直後においても、「キンダーブック」や 「講談社の絵本シリーズ」などが復活し、「皇国史観的なもの、戦争美談ものはリストから消え」(P11)、実物の鉄道に先駆けて夢ある世界を花開かせていったジャンルであった。 この100年あまりに渡る「のりもの絵本」の歴史において、その後半のおよそ50年間にわたって乗り物を描き
![『のりもの絵本―木村定男の世界 <1><2>』関田克孝 監修・文(フレーベル館) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a1e364830011be5daeb75fcc1dbf539d6b16f8e3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502205011.jpg)