地下アイドルの空間が閉鎖的であることに気がついたのは、いつのことだったでしょう。私服よりやや派手な衣装で歌う地下アイドルと、私服よりやや派手な推しのTシャツを着て応援するファン達。光るサイリウムと、地下にあるライブハウス。 私が出演していた地下アイドルのライブは、小さな村のようでした。いつもと同じ出演者、いつもと同じ関係者、いつもと同じファンの人達。誰がどの子のファンなのか、みんなが認識していて、見かけない顔の人がいると、不思議がられていました。滅多に新しい観客が増えることはないのです。 こんな話を聞きました。CDショップでアイドルグループのCDを買い、初めてライブに足を運んで、メンバーに「CD買ったよ」と声をかけたら、訝かしげに見られたというのです。CDは曲を聴くためよりも、顔見知りのファンが応援したい一心で購入することが多く、純粋にCDを買ってライブに来た新しいファンが珍しかったのだと
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