ジョン・ケージ作曲『4分33秒』 というのがあるが、ご存知の通りピアノを弾かないピアノ曲でもある。わずか4分半だが、演奏会場に集う人々が沈黙に耳を傾けあう。 ピアノの前に座り、楽譜を置き、その指定に沿って3つの楽章を「演奏」するが、自分で音を出すことはしない。1:休止、2:休止、3:休止。楽譜には、そう書かれている。この曲にあって演奏とは、居ることであり、しじまを聴くことであり、沈黙と測りあうことである。時の体験ということにも通じるかもしれない。 音を鳴らさない演奏ゆえ、コンサートの「生演奏」でしか味わえない曲でもある。ユーモアや、いたずらっぽさも感じる。事前には何もないという面白さ。そこから広がることは、未だ多い。禅を学んだケージは自ら積極的に表現するばかりでなく、音楽そのものを、環境に溢れる様々な音の受容体験として捉え直したのかもしれない。 ケージには、これと対照的に鳴り続ける音のため
![音の、偶然の、、、 - 櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)