Moma/post/Between New York and Tokyo : Fluxus and Graphic Scores/吉増剛造インタビュー 2012年10月1日 ニューヨークにて 聞き手:恩田晃 恩田: 今日は六〇-七〇年代の日本の文化状況と吉増さんとの関わりについてお話しを伺おうと思います。吉増さんが処女詩集『出発』を刊行されたのは六四年ですね。ちょうど慶應義塾大学を卒業された頃でした。どんなことが日本では起こっていましたか? 吉増: ……略…… ご存知のように六〇年代はアメリカニゼーションの時代といって間違いないと思いますけれども、その新鮮な波動が、文学としてはビート・ジェネレーション、歌声としてはボブ・ディラン、ジョーン・バエズらの歌声として響いてきて、しばらく遅れてビートルズが聞こえてきた。思い出しながらお話ししますけれど、僕の学生時代にビートの最もすぐれた紹介者だった