岩見沢駅外観 撮影:小川 重雄 提供:ワークビジョンズ 地方都市に多くのプロジェクトを有する西村浩氏は、刻印レンガを用いたワークショップや古レールを用いたカーテンウォールなど、参加に関する社会的な要求を巧みに設計プロセスに取り込み、独特の力強い建築を実現することに成功している。ここでは、西村氏がそのようなアプローチを取る背景の一つとして土木を専攻していたという学生時代の話から伺うことにした。 聞き手=藤村龍至 スターがいる世界に憧れて 藤村|西村さんは学生時代にもともと土木の専攻をされていて建築へ移られたわけですが、建築に関心をもたれる背景は何だったのでしょうか。 西村|もともとぼくは建築が好きだったんです。その頃瀬戸大橋とか青函トンネルのような1兆円プロジェクトが行われてて、地図に残るようなスケールのものをデザインするのは面白そうだな、と思ったんですね。 ただ実際には僕が思い