東京コピーライターズクラブ(TCC)が主催する、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」。その入賞作品と優秀作品を収録したのが『コピー年鑑』です。1963年に創刊され、すでに60冊以上刊行されています。 広告クリエイターを目指す人や駆け出しのコピーライターにとっては、コピー年鑑は憧れの存在であり、教材であり、自らを奮い立たせてくれる存在でもあります。TCC会員の皆さんは、コピー年鑑とどう向き合ってきたのか。今回は、JR東海や日本ハムなどの広告を手がける早坂尚樹さんです。 小さい頃、母から言われて印象的だった言葉がある。 「贅沢はさせてあげられないけど、欲しい本だけは、いつでも買ってあげるからね」 あいにく、体を動かすことが好きな少年だった僕は、本をおねだりすることなく大人になってしまったが、知識や知恵というものには、値段以上の価値があることを知る、原体験になった。 だから僕は、今でも本を買う