タグ

精神医療に関するhystericgrammarのブックマーク (100)

  • 解離への対応に関する覚書 1

    医療者とのコミュニケーションについて。うまく伝わらない場合はどうしたらいいのか。 やはりご自分の体験を何らかの文章にしてまとめることは必要でしょう。クライエントさんは医師の前で思いつくままに語るのではなく。初診の時点で文章にしていらっしゃるといいと思います。少なくとも医師にとってそれは非常に役に立ちます。しかし「はい、これを読んでください」ではいけません。医師の方はただでさえ限られた時間でそれを解読し、場合によっては書き写すのは負担です。それをもとにご自分の言葉で大事なところから順番にお話をしてください。起きたことをバラバラに伝えるのではなく。それが一番相手にも伝わるのです。医師といえども人間です。人に話す時、どのような順番で話せば一番伝わるのかをお考え下さい。 覚えていないことが多いが、それをどう伝えたらいいか。 だからこそ整理して伝えるのです。そして覚えていないのはどの様な部分なのかに

  • 『精神科病院内でスマホが繋がらない場所と院内Wi-Fiのことなど』

    これはずっと以前から思っていたことだが、民間の精神科病院はそこそこ広いために大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)でさえ、スマホの着信ができないことが良く起こる。 僕のスマホは、ここは繋がらないわけはないだろう!と言う場所(目の前に道路挟んで民家が密集)で携帯が着信しない。結局、直接病棟に電話がかかってくる。これは看護師さんが、携帯電話が繋がらないということは多分この病棟にいると予想がつくからである。 普通、中核病院では、院内通信ではたぶんピッチ(PHS)を使うことが多いと思うが、常時携帯電話を2つ持つのは重いため、それを拒絶し、直接自分のスマホにかけてもらうことにした。大荷物で仕事をしたくない。携帯電話は重いのとでかいのは悪と思っているので、未だに僕のスマホはiPhone13miniである。院内通信に個人の携帯を使うのは、多分、この方がコスト的にも安価と思うからである。 僻地にある超

    『精神科病院内でスマホが繋がらない場所と院内Wi-Fiのことなど』
  • 紳士淑女としての”依存”のたしなみ方(横道誠)[第11回] 酒をやめられない文学研究者とタバコがやめられない精神科医の往復書簡

    依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。最小単位、たったふたりから始まる自助グループの様子をこっそり公開。 物質依存と行動嗜癖 こんにちは、トシ。 『みんな水の中──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院)では、じぶんの発達障害についてあれこれ書いて

    紳士淑女としての”依存”のたしなみ方(横道誠)[第11回] 酒をやめられない文学研究者とタバコがやめられない精神科医の往復書簡
  • 大学企画展:2023年度 高濱浩子「アートの時間」心の記録 ~病院における「トラウマ インフォームド ケア」プログラムより – 甲南大学:ギャルリー・パンセ

    高濱浩子「アートの時間」心の記録~病院における「トラウマ インフォームド ケア」プログラムより 2023年9月23日(土)~11月10日(金)会期中無休 博物館実習生が中心となって企画・運営する大学企画展、今年は、神戸を拠点に世界各地で展覧会・ワークショップを展開するアーティストの高濱浩子(たかはま・ひろこ)氏をお招きし、高濱氏が2018年から兵庫県立尼崎総合医療センターで取り組んできた、アートによる「トラウマインフォームドケア」のプログラム「アートの時間」を紹介する展覧会を開催します。 兵庫県立尼崎総合医療センターにて産婦人科医、田口奈緒氏の発案により2018年から始まった試み「トラウマインフォームドケアプログラム(アート、ヨガ、音楽)」は、コロナの影響をうけた2020年以降はオンラインで継続し、これまでのべ400名以上の患者さんやご家族の方、病院スタッフが体験しました。今展覧会では、患

  • 感情と精神療法 最終版 ①

    色々いじって、やっと最終版までこぎつけた。 はじめに 「感情と精神療法」はかなり込み入ったテーマである。自然科学と同様、精神医学や心理学においても顕在的で測定可能な所見が主としてその対象とされる一方では、情動の問題はつかみがたいもの、扱い難いものとして敬遠されていた。その中で一世紀以上前に精神分析を創始したS.フロイトが、感情の持つ意味に注目したのは画期的なことであった。 フロイトの人生において感情は非常に大きな位置を占めていたことは間違いない。私たちが目にするフロイトの写真はどれもしかつめらしい顔を見せ、親しげな表情はほとんど見られない。しかし彼ほどの情熱家は稀ではないかと考えられるほど、人や物事への思い入れが深かった。友人であるウィルヘルム・フリースや弟子のシャンドール・フェレンチに対しても情熱的な内容を送ったが、その分決別の仕方も激しいものだった。 フロイトが最も興味を持った感情は、

  • 感情と精神療法 やり直し 推敲 6

    以下の部分、全面的に書き換えた。 治療における感情以外の様々な要素 治療の進展に関わる要素として、ここまで情緒的な関りについて述べたが、もちろん治療の進展を左右するのは感情だけではない。治療場面で生じるあらゆる現象が治療の進展に関与する可能性がある。そもそも何が治療効果を及ぼすかは、来談者の訴えやニーズがさまざまに異なるという現実を抜きには語れない。彼らは時には黙って話を聞いて欲しいと望み、または積極的な勇気づけを求め、またはアドバイスを求め、場合によっては治療者を怒りのはけ口にするだろう。これらのニーズをきわめて大雑把に表現すると、来談者はある種の「変化」を求めていると言えなくもない。これまで気付かずに繰り返してきたある種の思考や行動ないしは感情のパターンが何らかの形で改変されることで心の苦しさを軽減したいと望んでいるのだ。しかしその「変化」はどのようにして治療状況で生み出されるのだろう

  • 感情と精神療法 やり直し 推敲 5

    治療者に出来る努力 ― 転移を活性化すること これまでの議論で述べたのは、来談者が治療者に興味を持ち、そこでインパクトのある出会いが生じることには多分に偶発性が絡んでいるということである。しかしそれでは治療者は偶発性に期待して手をこまねいて待つだけでいいのだろうか?フロイトはそこに治療者の匿名性や受け身性を強調した。しかしそれだけでは不十分であるばかりか逆効果にも働く可能性についてはすでに述べた。 そもそも人が他者に興味を持ち、その考えを知りかかわりを持ちたくなるのはどのような場合なのだろうか? それはその人の人間性や考えに触れることだ。私は大学時代のクラスメートU君を思い出す。彼は分厚い眼鏡をかけて小柄で目立たず、いつも静かに仲間の話を聞くだけだった。私には「地味な奴」くらいにしか映らなかった。しかしある他愛のない政治談議になり、意見を求められたときにさっそうと自分の考えを述べて、その姿

  • 感情と精神療法 やり直し 推敲 4

    そして最後に以下の文(前のバージョンからかなり手を加えた)を追加して、一つの論文になる。これで完成なのか?しかし長さが8300字を超えている。約三分の一を削らなくてはならない。トホホ。 以上精神分析において情動を治療の進展に関わる要素としてどのように捉えるかについてのいくつかの立場を述べた。ここでこの問題についてさらに考える上で重要と考えられる治癒機序に関する議論についても述べておきたい。治癒機序 therapeutic action とは精神分析において何がどのように働くことで患者の心に構造的な変化を促すかという理論である。従来のフロイト流の精神分析においてはそれは言うまでもなく洞察であり、それは患者の無意識内容の解釈によりもたらされると考えられてきた。しかし現代の精神分析においては治癒機序がかなり「多元主義的」になっている。つまり何がどのような変化を及ぼすのかについては個々の患者のニー

  • 感情と精神療法 やり直し 推敲 3

    禁欲原則の持つ弊害とトラウマ理論 さて以上のフェレンチやアレキサンダーの例は、情動を積極的に喚起するという立場であったが、従来の「伝統的」な精神分析においては、禁欲原則との兼ね合いから、結果的にそれとは逆の結果を招くことも指摘されている。これまでに述べたとおり、フロイトの受け身性や禁欲規則は、それによる陽性の転移の喚起を目指したものであった。しかしそうすることで逆に患者の側からの陽性転移はかなり抑制されてしまう結果となりうることも現代の精神分析家たちは知っている。場合によっては自分のことを隠し、治療の多くの時間を黙って患者の話に耳を傾けるだけの治療者に対して、患者はネガティブな感情を持つことになりかねない。つまり治療者の受け身性が促す転移はあまり好ましくない治療の展開を生むこともある。患者は治療者のことを、過去に満足な養育環境を提供してくれなかった両親と同類の人間と感じ、そう見なすかもしれ

  • 感情と精神療法 やり直し 推敲 2

    治療における情動の持つ多面性 フロイトが100年前に至った上記の結論は、至極もっともなものだったし、今の世界にも通用するものである。現代の臨床家たちは、精神療法において患者はしばしば様々な情動的な反応を起こすことを体験している。そしてもちろんそれは治療者の側についても言える。あるものは自然発生的に起きるし、場合によっては必然的に起きることもあろう。それが思わぬ治療的な成果を生むこともあれば、決定的な治療関係の破綻に至ることもある。それらの多くは予想不可能な形での展開を見せ、似たような情緒反応についてもある患者との間ではうまくいった扱い方が、ほかのケースでは逆効果に働くこともあろう。その意味で情動を扱うことは治療的にはハイリスク、ハイリターンであるとしか言えないであろう。ただし臨床家の中には情動の持つ治療的な意味合いを過大評価する立場も多かった。私たちは臨床において情動を扱う際にも、この過去

  • 感情と精神療法 書き直し 9

    転移理論の問題―転移感情は自然発生的なものだろうか? フロイトの考案した方法はしかしいくつかの問題を持っていた。一つは転移が生じるそれは陽性の転移感情はそれほどうまくは醸成してくれないことである。フロイトの理論に従うならば、転移感情は精神分析の枠組みではデフォルトとして生じると言っているようである。治療において感情はどのような意味や役割を持っているのかについて、フロイト自身は明白な見解を持っていたようである。患者は精神分析的な枠組みの中では治療者にある種の陽性の感情、すなわち転移感情を有するのだ、ということである。しかもこれは印象だが、患者は全員、デフォルトでそのような傾向を持っているかのような書き方である。ちょうどアンナOがブロイアーに示したように、そしてある患者がフロイトの首に手を回してに愛情表現を示して動揺させたように、である。私だったら「でもフロイト先生、そもそも患者さんは治療者に

  • 感情と精神療法 書き直し 8

    フロイトと情動体験 「感情と精神療法」はかなり込み入ったテーマである。自然科学と同様、精神医学や心理学においても顕在的で測定可能な所見がその対象とされる一方では、情動の問題はつかみがたいもの、扱い難いものとして敬遠されていた。その中で一世紀以上前に精神分析を創始したフロイトが、情動の持つ意味に注目したのは画期的な事であった。 フロイトの人生において感情は非常に大きな位置を占めていたことは間違いない。私たちが目にするフロイトの写真はどれもしかつめらしい顔を見せ、親し気な笑顔はほとんど見られない。しかし彼ほどの情熱家はいなかったと言えるほどに人や物事への思い入れが深かった。婚約時代のマルタだけでなく、友人であるフリースに対してもラブレターに負けないくらい情熱的な内容を送ったが、その分決別の仕方も激しいものだった。 フロイトが最も興味を持った感情は、性的欲望や興奮に関連するものであった。これほど

  • 感情と精神療法 書き直し 7

    治療者に出来る努力 ― 転移を活性化すること これまでの議論で述べたのは、来談者が治療者に興味を持ち、そこで出会いが生じることには多分に偶発性が絡んでいるということである。しかしそれでは治療者は来談者が偶発的に治療者に興味を持ち、陽性の転移を起こすことを手をこまねいて待っているしかすべがないのであろうか。フロイトはそこに治療状況で治療者が匿名的で受け身的である必要性について考えた。しかしそれだけでは不十分であるだけでなく、逆効果にも働く可能性があるということをここで改めて指摘しておきたい。 そもそも人が他者に興味を持ち、その考えを知りたくなったり、会話をしたくなったりするのはどのような場合なのだろうか? そこには様々なきっかけがあるだろう。その人の書いたり言ったりしたことを知り、共感を覚えるという場合もあるし、その人の話に大きな興味をそそられ、もう少しその考えを知りたいということもあるだろ

  • 感情と精神療法 書き直し 6

    治療関係における変化と偶発性 治療の進展に関わる要素として、ここまで情緒的な関りについて述べたが、現代的な精神分析理論においてはそれがどの程度妥当なのであろうか?この問題を考えるうえで重要なのは、現代においては治癒機序を考えるうえでの多元主義がますます明らかになっているということである。治癒機序 therapeutic action とは精神分析において何がどのように働くことで患者の心に構造的な変化を促すかという理論である。従来のフロイト流の精神分析においてはそれは言うまでもなく洞察であり、それは患者の無意識内容の解釈によりもたらされると考えられてきた。しかし何がどのような変化を及ぼすのかについては患者のニーズにより様々な場合が考えられる。Gabbard は結局治療において生じるのは「無意識的な連想ネットワークの改変」と一言で言いきっているこれはトートロジカルとさえ感じられる提言であるが、

  • 感情と精神療法 書き直し 5

    ただし私はこのような考えにも今一つ満足できない。フロイトはこう言っているようである。「UOPTがあれば患者は苦しい治療にも通ってくるであろう。そしてその中で洞察、すなわち症状や自由連想に現れる無意識内容についての解釈を受け入れることで治癒に至る。」つまりは治癒機序とはあくまでも知的な洞察である、と。そして治癒機序そのものに深く情動が絡むことを指摘する人も出てきた。フロイト以降の様々な精神療法が考案される中で、そこに感情の持つ意味を重視する立場は非常に多く見られる。精神分析の世界ではフランツ・アレキサンダーの修正感情体験 corrective emotional experienceが提唱され、多くの賛否を生んだという歴史がある。 アレキサンダーは.フロイトの直系の弟子のハンス・ザックスに教育分析を受けたのちにアメリカ合衆国に移り、シカゴ大学で精神分析理論を自分流に推し進めた。特に精神分析療

  • How do we treat our clients in the relational framework? 4.

    How do we treat our clients in the relational framework? 4. Slide 11.  Is radical “structural change” sine qua non for a therapeutic action to take place? In fact, modification of the UAN does not imply the total change of the network, but just its partial change as shown in the diagram below. Slide 12. the conclusion of Gabbard’s paper (p.837) Here, I quote some of his statements. “There is no si

    How do we treat our clients in the relational framework? 4.
  • How do we treat our clients in the relational framework? 1.

    How do we treat our clients in the relational framework? 1. Multiplicity of the therapeutic action First I would like to state that although I am a fully trained analyst, I do not need to look to traditional psychoanalytic theories to decide what to say and what not to say in the clinical setting. My last supervisor in the United States, Dr. Eric Kulick, clearly stated almost twenty years ago, tha

  • 感情と精神療法 推敲 6

    転移を賦活すること さてこれまでの議論では来談者が治療者に興味を持ち、そこで出会いが生じることには多分に偶発性が絡んでいるということになった。しかしそれでは治療者は来談者が偶発的に治療者に興味を持ち、陽性の転移を起こすことを手をこまねいて待っているだけしかすべがないのであろうか。フロイトはそこに治療状況で治療者が匿名的で受け身的である必要性について考えた。しかしそれだけでは不十分であるだけでなく、逆効果にも働く可能性があるということをここで指摘しておきたい。 そもそも人が他者に興味を持ち、その考えを知りたくなったり、会話をしたくなったりするのはどのような場合なのだろうか? そこには様々なきっかけがあるだろう。その人の書いたり行ったりしたことを知り、共感を覚えるという場合もあるし、その人の話に大きな興味をそそられ、もう少しその考えを知りたいということもあるだろう。あるいはその人の考えや行動に

  • 感情と精神療法 推敲 5

    治療関係における偶発性の要素 治療の進展に関わる要素として、ここまで情緒的な関りについて述べたが、ではそれだけに注目するべきであろうか。必ずしもそうではないかもしれない。それは驚きや好奇心や、場合によっては怒りの感情かもしれない。それはある意味では予想不可能な出来事である。村岡倫子先生の唱えた「ターニングポイント」という概念がある。治療者患者関係の中である種の偶発的な出来事が起き、それが治療の転機となる。それは予想不可能な要素が大きく、あえてそれを仕組んだり計画したりすることはできない。しかしそのうちのあるものは治療の進展につながることがある。それが治療の分岐点や転回点 turning point となるわけである。 たとえば治療者がある日セッションに遅れて到着し、それを不満に思った来談者との間で情緒的な行き違いが生じる。そしてそこで交わされた言葉が患者の変化を促すという場合を考えよう。そ

  • 感情と精神療法 推敲 4

    治療において必須となる転移感情 治療場面における情緒的なかかわりのネガティブな側面について最初に述べた形になったが、改めてその治療促進的な要素について考えよう。精神分析的な用語を用いるならば、それは基的には陽性の転移であろう。患者の感情が動かず、自らについての言及も少ないだけでなく、治療者にも積極的な関心を抱かない場合には、その治療にはあまり進展は望めないであろう。患者が治療者に対して人間的な興味を持ち、あるいは治療者との情緒的な関係を重要と感じるようになると、そこに新たな力動が生まれる。ここら辺の事情は、すでにフロイトが100年以上前に述べていることだ。 比喩を用いればわかりやすいかも知れない。職場でのさして興味のない仕事に追われるという場合を思い浮かべよう。その人の上司が変わり、その人のもとで仕事をすることになる。その上司は自分にとっての理想の人に思え、やがてその人と話すことで勇気や