ロシア外務省は17日、北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大などを要求した米ロ条約案を公表した。プーチン大統領は7日に行ったオンライン形式での米ロ首脳会談で、NATOの東方不拡大を法律的に保証するようバイデン米大統領に求めていた。米側は、ロシアが提案した条約案について交渉する考えは示したが、受け入れられない内容も含まれていると反発した。ロイター通信などによれば、ロシアは米ロ首脳会談後も、ウクライナとの国境付近に9万2000人の軍部隊を集結させている。欧州の視線は今、ロシアが本当にウクライナに軍事侵攻するかどうかという一点に注がれている。 ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長は、ロシアの動きについて「ロシアは今年春も国境付近に軍を集結させて緊張を高めることで、6月にスイス・ジュネーブで行われた米ロ首脳会に結びつけた。ただ、今回はリアリティーが違う」と語る。米紙ワシントン