東日本大震災で危険な公務にあたっている最中に亡くなり、「特殊公務災害」に認定された自治体職員が、宮城県の75人に対し、岩手県では18人にとどまることがわかった。宮城県では警察官や消防職員に一般職員を加えた122人の遺族が申請しているが、岩手県では一般職員の申請は1人もいない。自治体の周知が遅れ、制度を知らない遺族も多い。(小林雄一、安田信介) 特殊公務災害に認定されると、民間企業の労災にあたる「公務災害」に比べ、補償額が最大1・5倍になる。 岩手、宮城両県の地方公務員災害補償基金支部によると、震災で死亡し、公務災害に認定された職員は、岩手が126人、宮城が146人。岩手では特殊公務災害を申請した18人(県警職員11、消防職員7)はすべて認められた。残り108人は自治体の一般職員がほとんどで、内訳は陸前高田市63人、大槌町34人、釜石市4人などとなっている。 市職員の長男(当時24歳)を亡く