宇井純は日本の公害問題研究家であったが、去年の11月に死去している。『公害原論』といった著書がある。日本の公害問題とは、近代期において田中正造の運動に始まり、産業化の過程の中で、必須な問題として発生し、昭和では戦後期に特に、水俣病問題をはじめとして出てきた。その間、産業による公害に反対する立場、環境運動というのが、日本でも進行したわけで、宇井純は、日本で最も公害が激しく問題化した時期に活動し、研究をまとめていたものである。 宇井純を偲ぶ会というのが、先月東大安田講堂で行われた模様であるのだが、公害原論として纏められたマニフェストとは、今から振り返るとき、時代の記録として、それをどのように受け取るべきなのかという点について、少々屈折した問題性を内在しているのではないかと思った。偲ぶ会によって、宇井純に対する認識の在り方について、幾つかの論点が出ているのを、ネットやmixiで目にした。宇井純と