昨年の自殺者数は2万4千人。その苦しみは本人だけでなく、家族や友人など親しい人にも大きな影響を及ぼします。自死遺族の1人として、また議員として自殺対策に取り組む荻野稔大田区議にご寄稿いただきました。 ◇ ◇ 去る4月1日、自殺対策基本法が改正されました。自殺対策は基本法が制定されて10年。福祉においてはまだまだ新しい分野です。対策の必要性への認知、そして多くの方の尽力により、一時毎年3万人を上回っていた時期から、2万人台に年間の自殺者は減りました。しかし、忘れてはならないのは、自殺者は生き返るわけではなく、年間ベースで亡くなる方が減っても、累計での自殺者は増え続けているということです。そして、それは自死遺族、残された周囲の方々も増え続けていることも意味します。 今回の自殺対策基本法では、今まで書かれていなかった自殺者の親族等の支援の在り方、自殺の恐れのある者への医療提供に関す