先日の記事で『短篇小説の快楽』というブックガイドを紹介しましたが、それと同名のシリーズ《短篇小説の快楽》が国書刊行会から、刊行されることになったそうです。タイトルからして、短篇好きとしては、要注目のシリーズなのですが、ラインナップがまたマニアック。 ウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』12月刊 キャロル・エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』 レーモン・クノー『あなたまかせのお話』 アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に』 イタロ・カルヴィーノ『最後に烏がやってくる』 ウィリアム・トレヴァーは、この中では、いちばん名前が知られていない作家でしょうか。アイルランドの作家で、短篇の名手と言われている人です。邦訳もあって、長編では『フェリシアの旅』(角川文庫)、短篇も雑誌やアンソロジーなどに、いくつか収録されています。ジャンル作家というわけではないようですが、短篇をいくつか読