「お客さん? 減ってる減ってる」 本音が見えにくいといわれる京都人だが、本当に言いたいことがある時は大事なことを2度繰り返す。 「これでも減ってるんですか?」「だって歩けますでしょ?」 35年ぶりの「歩きやすい京都」 割烹着にマスク姿の「錦のおばちゃん」は、そう言いながらちりめん山椒を包んでくれた。京都の台所として有名な錦市場(京都市中京区)。閑散とした…というほどでもなく、そぞろ歩く人の姿はあり、賑わっているようにも見える。しかし、確かに歩ける。 近年はインスタ映えのする商品を並べる商店も増え、普段ならば狭い通りを観光客が埋めつくし、ゆっくり買い物をするどころか「歩くのも大変」な錦市場。それが、いまは「すいすい歩ける」のである。 今や世界を襲う新型コロナウイルスの感染拡大の影響は観光都市・京都においても深刻である。オーバーツーリズムが問題となるほどの混雑に悩まされてきた人気の観光スポット