ジョブズ亡き後、最も大きな影響力をもつ起業家となったベゾス。彼は新聞にどんな変革をもたらすのか(Matthew Ryan Williams/The New York Times) 1999年後半、加熱沸騰を見せたインターネットブームに陰りが見え始めた頃。アマゾンは、ドットコム企業の星としてもてはやされていたが、負債と赤字のスパイラルに苦しんでいた。同社の創業者で「最高興行責任者」のジェフ・ベゾスは、経費削減に真剣に取り組んでいることをウォール街に印象づける必要があったのだ。 そのためにベゾスは何をしたのか? アマゾンは、シリコンバレーではおなじみのマッサージや寿司職人などの福利厚生サービスで、従業員を甘やかしたことはない。従業員が唯一、無料でもらえるのが、頭痛薬のアスピリンだ。そこで、それを削減対象としたのである。 アスピリン廃止をめぐって不満の声も多かったが、レイオフを含むコスト削減と