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ブックマーク / www.axis-cafe.net (14)

  • 続・岡崎市立図書館事件(2) - おおやにき

    さて、とはいえこれだけだとなんか非常に形式的なことで私が切って捨てているだけに思う人がいるかもしれない。まあ個人的には形式が守れない人間には研究者としての資格がないよねえと思うのだが、まあ世界の人がみな研究者倫理を熟知しているわけでもなかろうから、結局不確かなソースに依拠することでどういう恥ずかしいことになっているかという実例を、一つ挙げておく。 なお以下で、「私はこう言った」という内容については、私としては自信があるものの間違いなくそうだという証拠(たとえば録音のごときもの)があるわけではない。まあただおそらく参加者に確認すれば「だいたいそういうことを言っていたのではないか」程度の証言は揃うであろうから、一応の信頼性は担保できようかと思う。もちろんたとえば高木氏には「それでは十分な証明と言えない、そんな情報をもとに主張の当否を論じるのはおかしい」と主張する自由があるが、そうなればtwit

  • 続・岡崎市立図書館事件(4・完) - おおやにき

    ところでシンポジウムについては朝日新聞の記者の方が取材されていたようで、以下のように記事になっている(「岡崎図書館問題で討論」asahi.com)。 パネリストの名古屋大学大学院法学研究科の大屋雄裕准教授は「技術者は図書館システムに欠陥があることも想定すべきで、逮捕された利用者と図書館の間で事前に協議があれば事件にならなかった」と指摘。 まずベストプラクティスが実践できなかったことを「問題」と表記する。 この時点で、それが日常用語としての"問題"とは違うことが含意されているし、まして刑事・民事上の責任を問える水準の話とはまったく異なることは明らかにしている(私がカギ括弧とかを使うときは当然に意図的なので、たとえば「誤認逮捕」というのは誤認逮捕ではない。誤認逮捕が発生すれば警察なり検察なりが謝罪すべきということになろうが、誤認逮捕だと当事者とか社会の一部が思うとしても法的には不適切と言えな

  • 続・岡崎市立図書館事件(3) - おおやにき

    でまあその。企画者の側からは当日のプレゼンテーションを公開してもらえないかという依頼も受けたのですが、いやソースに基づく議論という研究者であれば基中の基と言ってよいふるまいができないのか故意にしないのか、とにかくそういう人々がこれだけ群れているところに・口頭で説明/補足することが前提の資料を出すとか、さすがに私でもそういう餌の与え方はできないねえ。教祖さまが自分の無謬性を守るために好き勝手利用しはじめるに決まってるんじゃないかな。 しかしまあ私はいらんこと親切なので、当日来ていた方なら個々の話題がどのように全体の枠組に対応しているのかがわかるように追加の説明をする。ちょっと参加者の興味を引くために構造が見えにくくなったところはあるかなあと思ってもいるのでね。なお刑法理論の観点から「そんなに簡単に書いていいのか」と思う人はいるでしょうが、そこは割り切ってわかりやすさを優先しました。さて。

  • 岡崎市中央図書館事件 - おおやにき

    呼ばれたので行ってきました。パネル討論会「「岡崎市中央図書館ウェブサーバ事件」から情報化社会を考える」(主催:ESD21(持続可能なモノづくり・人づくり支援協会))。会場は中京大学の八事キャンパスなので、あまり普段と代わり映えがしないな。パネリストは4名で、他はまあ図書館系と情報系の方だったので、法律系としての機能を期待されているのかなあと思ってみたり。いや実定法学者でもないので多分に不安が残るところなのですが。 でまあ述べた内容ですが、この件で図書館側・ベンダー側・警察側に問題があったというのは多くの人が言っていることだし、まあベンダーの問題点って否定できないよねえと素人ながらに思うのでそのあたりは他に任せて、逮捕されてしまった開発者の行動にも「問題」(ベストプラクティスではないという意味でのね)はなかったかという点と、警察・図書館の行動にも「問題」はあったがその背景にある事情というもの

  • 概算要求 - おおやにき

    各省庁による平成23年度予算概算要求の提出期限(8月末)が迫るなか、要求額の確定時期を先送りする案が政府・民主党内に浮上してきた。(......)23日の民主党政策調査会の役員会では「概算要求を8月末に出すのは単なる習慣。守らなくてもいい」などと概算要求額を期限通りに確定する必要はないとの意見が相次いだ。」(「概算要求、期限先送り論噴出 党内に代表選の結果見極める動き」MSN産経ニュース、強調引用者) 財政法(昭和22年法律34号) 第17条第2項 内閣総理大臣及び各省大臣は、毎会計年度、その所掌に係る歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類を作製し、これを財務大臣に送付しなければならない。 ※これを受けて、財務大臣が「必要な調整を行い、歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の概算を作製し、閣議の決定を経」ることから(財政法18条1項)、この「見積に

    isikaribetu07
    isikaribetu07 2010/08/25
    誰か止める人はおらんかったんだろうか。/この記事、産経記者の無知も同時に明らかにしちゃってるよな。「下野中」の産経としても民主党への嫌味を書く絶好のチャンスだったのにもったいない。
  • 支度料 - おおやにき

    前にも書いたことがあるような気がするが私の家には冬のモンゴルでだけ着る上着というのがあり、何かと言うとセントラルヒーティングが効いて暖かい室内ではスーツ姿でいる必要があり、しかし屋外はマイナス30度である。車に乗るまでのせいぜい15分であるが何を着たらいいだろうかとアウトドアショップに相談したら普通は防寒対策というのは重ね着で対応するのだがそういう事情なら仕方がないのでこれが一枚で暖かいからいいのではないだろうかと言われた新素材のワタ入りモコモコを素直に買ってきた。なるほどその通り大変に暖かくて無事に過ごせたのだが何分そういうものなので国内で着ると暖かすぎて往生する。今に至るまで、モンゴルから成田経由で直接行ったアメリカ北東部で一度着た以外はウランバートル以外の場所で着たことがない(モンゴルでは三、四回は着た)。 何の話かというと、独立行政法人が海外出張に定額の「支度料」を払っているのがけ

  • 漢方薬と事業仕分け - おおやにき

    例の「事業仕分け」で漢方薬が保険適用から除外される方針になったという話が出て(「医療用漢方薬が保険適用外 価格が3倍以上治療に支障?」J-CASTニュース)、日東洋医学会を中心に4万人の反対署名提出とか、騒ぎになっているようである(「漢方薬保険外に4万人以上の反対署名 厚労省に提出へ」MSN産経ニュース)。なんかしかし横から見ていて議論が的を外しているような気がするので、少し書く。ただし、 当にそういう方針になったかどうかについては知らない。あくまで、「当にそうだったとしたら問題は何か」の話をする。 漢方薬が効くとか効かないとか証拠がどうのとかは知らない。お医者さんでもないのでそのあたりはよくわからない(個人的にはほとんど西洋医学にしか頼らない)。あくまで、私が少しはわかる医療システムの話をする。 さて。 まず問題範囲の限定。これは公的医療保険に関する議論なので、この結果がどうなろう

  • 運賃の意味するところについて - おおやにき

    「割高運賃で3000万円ムダ 外務省の在外職員公費旅行」(asahi.com)というニュースがあって、こりゃひでえなという思いが両方である。もちろん記事を読む限り「これは擁護できん無駄やな」と思うところもあるが(たとえばPEX運賃を請求しながら格安運賃で旅行していた事例)、割引運賃が使えたはずだという指摘にはあんたそれ意味わかって言ってるのかと思う。 そもそも割引運賃と言ったって何の理由もなく安くしてくれたりはしないわけで、何かを諦める代償に値引きしましょうと、そういう約束に(基的には)なっているわけである。知っている人も多いだろうが、航空券の場合は普通運賃だとどの会社の・いつの便でも予約できるし、経路変更を含めた予約の変更もできるというのが基になっている。割引というのはこの自由を手放して条件を固定していくものなので、まあだいたい航空会社変更不可とかルート変更不可とか日程変更不可のよう

  • Winny事件二審判決 - おおやにき

    だいぶ遅くなったがWinny事件二審判決について。すでに報道されている通り、一審の有罪判決を覆して無罪、検察はそれを不服として上告する方向になったと、そういうことであった。問題は一審と二審のあいだで何が代わったかと言うことだと思うのだが、報道から見る限り実はあまり変わってないなというのが私の印象である。 もともとこの事件の論点は、法律的に見る限り概括的故意による幇助犯の成立を認めるかどうかということであった。つまり、「いつか・誰かが犯罪に利用するだろう」という予期と・「それでも構わない」という認容があることを刑事責任の基礎にしてよいかという問題である。というのは、幇助の対象である他人の著作物のアップロード行為が違法であることには疑いの余地がなく、それがそもそもよろしくないという(ヨーロッパにおける海賊党のような)主張は、件で有罪判決を出すことがソフトウェア開発を萎縮させるかどうかといった

  • うかつメディア - おおやにき

    というわけで民主党が圧勝したわけだが、まあこれはこれで良かったのではないか。というのはこれなら責任の所在がどこにあるのかは明確になるので、良かれ悪しかれ評価はしやすいよねと。都議選のときのような微妙な勝ち方(第一党ではあるが多数党ではない)だと、まあそれは地方自治体の二元的代表制の問題もあるのだが、政権運営は第一党の数を使って妨害しつつ責任は「多数派ではないので」とか言って回避するという戦略があり得るので、それは困る。まあとにかく決定が行ない得る状況の方が、どうにもならないスタック状況よりはいいのではないかと思う。 このあたり、もちろん私自身の政治的preferenceは生活保守なので民主党の掲げる施策のほとんどに賛成できないのだが、しかしpreferenceどうこう言えるのはシステムが存在し動作している限りにおいてなので、ないよりはあった方がまし。Twisted Diet論文に関して某先

  • 支援 - おおやにき

    生協に行ったら久しぶりに入荷していたので支援と連帯の意を明らかにするために大量に購入してみる。つうかがんばれ。 まあこの件についてはそこが主犯というわけでもないと思うのだが、先日来某研究会で安全と安心のギャップをめぐるリスクコミュニケーションなどという話をしていたときに、問題発生のひとつの類型としてマスメディアの問題というのを指摘したわけです。つまり「科学的には安全」という状況があるのにその根拠となる知見やデータの内容を理解できずに不安をフレームアップしてしまう事例があり、まあとコンニャクゼリーの相対的危険性とかを例として考えてもいいだろう。なんでそうなるかというにもちろんマスメディアも客商売であって不安をあおる方がお得であるからということも考えられるのだが、日の場合はそれに加えてマスメディアの中の人たちがとてもモノを知らないというか、専門性がなかったり不勉強だったりするという問題を指

  • 医療過誤問題管見 - おおやにき

    地元での用事を片付けようと合計30分くらいバイクでうろうろしただけで両腕の上半面が赤くなっているわけですがどういう熱帯ですかここは(挨拶)。さて気付いたら医療過誤の法的取り扱いをめぐるモトケン先生と小倉先生の議論にbewaadさんまで参入していたのだが、ええと、ちょっと「ITプロジェクトの実態とは!」あたりの話を思い出しましたね。 何が言いたいかというと、現時点までに医療関係者から出てきた主張の文言解釈としては小倉さんの方が正しいと私も思う。でもそれに何の意味があるのかはよくわからないということ。たとえば「業務上過失致死傷罪を廃止せよ」という文言が、医師である(とお書きである)NATROMさんの意図に反して当に故意が認定できる場合以外のあらゆる事例(血液型クロスマッチを行なわない輸血、が一例として挙がっているが)を免責することになってしまうという点については、bewaadさんご指摘の通り

  • 今日も今日とて - おおやにき

    なんかまた霞ヶ関からえらい人が来るので日教育研究センターに関するご説明とテレビ会議システムの実演をするようにと命が下り観光ツアーガイドか私は(挨拶)。まあもう慣れたものなので構わないといえば構わない。 さてその間にどうやら民主党が首相の問責決議案を参議院に提出し、野党の賛成で可決したようである。まあご自由にどうぞ、というのは別に馬鹿にしているわけではなくて、問責決議というものにはそもそも法的根拠が存在しないので(法的強制力がないどころの話ではなく、そもそも根拠規定が存在しない)、それは法的な次元の問題ではないねえと思うからである。もちろん法的根拠がないからやっていけないということではなく(禁止規定だってないわけである)、しかし一定の要件に効果を結びつけるという法的規範がない以上その効果が法律に基づいて決まるわけではない、というか何が起こるかよくわからないわけであって、それを予測したり評

    isikaribetu07
    isikaribetu07 2008/06/15
    「どうも民主党は日程とかスケジュールとか一定の仕事をするために通常必要となる期間というものに無頓着すぎるのではあるまいか」質問主意書濫発等の背景にはそういうのもあるかも。コストやリソースにも無頓着だし
  • タクシーとマッチポンプ - おおやにき

    いや終電後にタクシーで帰宅する霞ヶ関のなかの人たちがビールだのおつまみだの商品券だのをもらっていたという一件。正直そういうタクシーの使い方をしたことがほとんどないのでよくわからないのだが(というのは別に清廉潔白を気取るわけではなくタクシーチケットのもらえる仕事でもできるだけ自腹で地下鉄を使って移動するようにしているくらいタクシーというものが好きではないので、まあ必要なら使うのだがとにかく相手が気を遣って話しかけてきたりするのに対応しないといけないようなシチュエーションが嫌いで床屋も会話がないのを狙って安いところに行くとかおねえちゃんと楽しい会話のできる飲み屋さんとかに絶対自分からは行かないとかとにかく偏屈な人間だからなのであるが)、普通に都心から長距離で乗ればよくあるサービスだという人がいてそうかなと思い、しかし現金とか商品券はやはり割り戻しであってまずいのではないかと思うとスタンプカード

    isikaribetu07
    isikaribetu07 2008/06/08
    長妻昭衆議院議員の困った質問主意書について。
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