2011年、ティム・クックがアップル社のCEOに就任した。スティーブ・ジョブズという革新的でカリスマに溢れたリーダーの死は、計り知れない悪影響を及ぼすだろうと、誰もが予想していた。 競合相手のアンドロイドの凄まじい追い上げや、ジョブズを失った後の製品開発に対する不安から、クックはまるで沈むのが分かっている船の舵を任されたようだった。 しかし結果として、彼が主導権を握ってから8年余りで、アップルは世界初の1兆ドル企業までのし上がったのである。 クックがCEOとなってからのアップルは、多くの部門で競合相手を圧倒している。iPhoneは10年間で12億台以上を売り上げ、モバイル業界全体の80%もの利益を独占している。 またコンピューター部門でも成功をおさめており、他の企業がスマートフォンやタブレットに顧客を奪われて伸び悩む中で、アップルは着実にシェアを拡大している。 これほどの成功を収めたティム
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