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雪蟷螂に関するitaliajinのブックマーク (8)

  • 雪蟷螂 | MOMENTS

    ……雪蟷螂の愛は深すぎる。それが希望でもあり、また等しく絶望のようにも見える。彼女の恋情は……なにかを起こすのかもしれないね。 冬の山脈に暮らすフェルビエ族とミルデ族の間で長きに渡り続いた氷血戦争はこの儀をもって終結を向かえるはずだった。それは、ふたつの部族の族長同士の政略結婚。しかし、フェルビエの族長・アルテシアがミルデ族長・オウガの元を訪れたとき、この約束の儀は何ものかの思惑により阻まれることになる。想い人を喰らう“雪蟷螂”とまで呼ばれるフェルビエの女たち。様々な想いが交錯し、舞う厳冬の山脈の春はまだ遠い。 年に1冊というスローペースながら、相も変わらず魅了されてしまう物語を紡ぐ紅玉いづきの3つめのお話。曰く「最後の人喰いの物語」だとか。 なるほど、最後を飾るにふさわしいお話と感じました。深く深く、激しく激しい、女たちの愛の物語。愛した男を喰らうとまで言われる“雪蟷螂”の女たち。この物

    雪蟷螂 | MOMENTS
  • 『雪蟷螂』読了 - 積読を重ねる日々

    『雪蟷螂』(紅玉いづき/電撃文庫)読了。 人喰いをテーマにしたファンタジー三部作の完結編。今回もすごく面白かった。一面を白く覆い尽くし、肌を凍りつかせる雪を幻視するかのような美しさと厳しさ、そして裏腹の情熱の血潮を感じさせる作品であった。なによりも美しい。これが重要、と言うかすべてと言ってもいい。人々の愛憎を、あるいは厳しい吹雪の中を、雪山を踏みしめる歩みを、描く描写が美しい。なによりも描写をする文章が美しい。そこには耳を澄ませばびょうびょうと吹きすさぶ風の音が聞こえ、人々の生活を息吹が息づいているようにさえ感じられる。 作者は、その美しい描写を、激しくも哀しい愛にまつわる物語を描くことに注ぐ。憎しみともつかぬ激憤、激情。それらに匹敵する暴風の如き愛。作者が描く愛はそのようなものだ。愛するがゆえに憎しみ、憎しみ合いながら愛し合う。冷たくも激しい雪に包まれた舞台に描かれるのは、そんな激しい物

    『雪蟷螂』読了 - 積読を重ねる日々
  • 雪蟷螂 : 徒然雑記

    【雪蟷螂】 紅玉いづき/岩城拓郎 電撃文庫 Amazon この物語の舞台を、極寒の山岳地帯に設定するこの人のセンスというか、物語への感性は、やはり凄まじいものがある、うん。 基的にこの人の描く物語というのは童話的な雰囲気のするものなんだけど、その「昔々あるところに」の冒頭で幕開いていく世界観の圧巻の広がりと重厚さがとんでもないんですよね。幻想的でありながら生々しい、不可思議でそそけ立つような舞台に、ページを開いた途端に放り込まれる。 人い三部作と名付けた一連の作品【ミミズクと夜の王】【MAMA】そしてこの【雪蟷螂】そのどれもが共通してその圧倒的な物語の舞台の存在感で読者を飲み込みながら、同時にそのどれもがまったく違う顔で迫ってくるのだからたまらない。 今度の舞台は雪と氷に閉ざされた山間の僻地。まったき白に漂白された唸るような静寂の世界。涙も凍る、冷たい死の世界。 この物語の根幹に流れる

    雪蟷螂 : 徒然雑記
  • 雪蟷螂

    長いこと争いを続けてきたフェルビエ族とミルデ族。死の病に瀕した両族の族長達は、戦いに終止符を打つためにそれぞれの子供達を召し合わせる事を約束する。そして父の跡を継いだフェルビエ族の女族長・アルテシアは結婚の儀を執り行うため、2人の従者を従えミルデ族の若き族長・オウガの元にやってくるが… 『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”の第三弾にして最終章。想い人を喰らいたいと願うほど情熱的に愛するという女傑の蛮族・フェルビエと死んだ人々の遺体をミイラとして死後も保存し“永遠生”として信仰の対象とする狂人・ミルデという、凍てついた大地に暮らす対称的な2つの種族を巡る物語。誇り高く凛々しい女族長アルテシアと彼女の影武者で苛烈な“愛”を持つ少女ルイ、アルテシアへの硬い忠誠心と醜い容姿を持つ寡黙な男トーチカ、とある事情からフェルビエに対して嫌悪感を抱くミルデの族長オウガという対照的な4人を中心

    雪蟷螂
  • 雪蟷螂 - ブログというか倉庫

    雪蟷螂 (電撃文庫)紅玉 いづき アスキーメディアワークス 2009-02 売り上げランキング : 230 おすすめ平均 残念!! 寒々しい雪景色を溶かすような激しい想い Amazonで詳しく見る by G-Tools ストーリー 凍てついた山脈の遙かな土地で暮らす一つの一族があった。 涙さえも瞬時に凍り果てるようなその山深い暮らしながらも、その炎のような苛烈な生き様と戦いの力を持った彼ら:フェルビエ族は畏怖を込めて他の一族「雪蟷螂」と呼ばれた。 彼らはやはり山脈で暮らす別の一族であるミルデ族と長らく戦いを続けてきたが、先代の族長の命がけの盟約の結果、10年間の停戦を過ごし、そしてそれを更に確かなものにするように族長同士の婚礼が行われようとしていた。 フェルビエ族の族長・アルテシアは、一触即発とも言えるミルデとの間を「血縁」で繋ぐべく、彼女の全てを——その血の一滴、想いの欠片全てをも——一

    雪蟷螂 - ブログというか倉庫
  • サービス終了のお知らせ

    サービス終了のお知らせ いつもYahoo! JAPANのサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。 お客様がアクセスされたサービスは日までにサービスを終了いたしました。 今後ともYahoo! JAPANのサービスをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いいたします。

  • 雪蟷螂: Alles ist im Wandel

    前年と同じく、電撃大賞受賞作と同時発行ってのは嫌がらせか何かかと思ってしまうくらいの内容。 前二作ほど世界的な広がりは見せないものの、 それ故に深く描かれる登場人物らの心情にゾクッと来ます。 序盤から顔を見せている伏線がどのように繋がっていくのかも、 読んでいて気になる上に楽しみなところ。 大体のところは予想通りのものでしたけれど、その過程の物語がすばらしいの一言で。 あー、プロローグのこれってそういう意味だったんだなぁ、とか。 はい、大満足です。 また新作まで一年待つことになるんでしょうが、問題ありません。 むしろ一年待たされることすら楽しみ。 あー、こういう喰らいあうような恋をしてみたいわ。

  • booklines.net - [紅玉いづき] 雪蟷螂

    「けれど、訂正を願いたい。貴方が思い出させてくれた」 笑うことのない雪蟷螂の族長のぎこちない笑みは、白い花が静かにほころぶようだった。 「たった一度だけだが……私も、確かに、この心を灼いたことはある」 蛮族ファルビエと狂人ミルデ族。雪に囲まれた山脈での二つの民族の争いに終止符を打つ政略結婚を直前に控えて、それを阻む出来事が発生し……、というお話。 これは非常に心にくるものがありました。凍てつく寒さの中で描かれる、心を灼く思いに魅せられます。 和平のために身を売る。それを当たり前のように受け止めて約束のときを迎える蛮族ファルビエの美しき女族長アルテシアの姿は、とてもハードボイルドで心情がつかめないが故に、逆に心の痛みを感じたりしてしまうんですが、政略結婚を阻む者がいると知ってからの彼女の姿は、しびれるものがありました。 アルテシアのそばに常にいる身代わりのルイと、近衛兵のトーチカが、信

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