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書評とあとで読むに関するivory_reneのブックマーク (28)

  • 「進化するアカデミア」書評 学会ネット中継、視聴者も参加|好書好日

    進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 著者:江渡 浩一郎 出版社:イースト・プレス ジャンル:コンピュータ・IT・情報科学 進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会 研究者が集う学会は創造性を加速させる場として古くから機能してきた。論文で研究成果を共有し、年次大会などを通じて研究者をつなげる。では、それを現在のネット環境を前提に補完するとどうなるか。著者が実行委員長をつとめる「ニコニコ学会β」はまさにその分野に切り込む。 「ユーザー参加型研究の場」であり、論文よりも分かりやすいという理由で動画での研究発表が推奨される。既存の学会で重要視される「新規性」を緩く考えるなど参入ハードルを下げ、何よりも楽しく知的想像力をくすぐる内容が評価される。シンポジウムをネット生中継しユーザー(視聴者)がコメントする仕組みは画

    「進化するアカデミア」書評 学会ネット中継、視聴者も参加|好書好日
  • 『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』 - HONZ

    「ねえお父さん、なぜぼくはいるの?」 著者の息子オスカーの質問だ。子供は物の哲学者だとよくいわれる。こんなことを実際に聞かれたら思考が一瞬、停止してしまうかもしれない。 書は魅力的な哲学のだ。哲学といっても、まったく固くならずに読める内容である。著者はドイツ人作家で哲学者のリヒャルト・ダーフィト・プレヒト。原書はドイツ語版『Warum gibt es alles und nicht nichts? Ein Ausflug in die Philosophie. 』2011年に発売され、10歳以上の子供から、人生の大きな問題を子供達にどう話していけばいいかを考えている大人までが楽しめる内容で大ベストセラーとなった。そもそも、著者のプレヒトは夫人との間に三人の継子があり、その子供達に説明してやれるを書きたいと考えていたところ、そういう内容なら大人も興味を持つかもしれないと、出版社が気づ

    『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』 - HONZ
  • 2012年度 書籍売り上げランキング ベスト20 - 情報考学 Passion For The Future

    今年このブログの紹介記事を経由してAmazonで販売されたの売り上げ冊数ランキングです。このブログの読者のみなさんに、実際に手に取ってもらった(クリックするとか購入するなど)ランキングと言ってもよいと思います。 順位の後のURLは書評記事へ、表紙イメージをクリックすると直接Amazonへ飛びます 【1位】ニセモノ品の正体 (別冊宝島 1917 ノンフィクション) http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1736.html ・ニセモノ品の正体 【2位】式の前日 (フラワーコミックス) http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1743.html ・式の前日 【3位】性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか http://www.ringolab.co

    ivory_rene
    ivory_rene 2013/01/01
    気になってたのがいくつか入ってた。読めってことだ。
  • このハヤカワがスゴい!

    オススメをもちよって、まったり熱く語り合うスゴオフ、今度は「ハヤカワ」だ。 つまり、早川書房が肴だ。SF、NV、JA、HM、NF、FT、epi、演劇、もちろんハードカバーやミステリマガジンもOKだ。それではと、ハヤカワ・マイベストを選ぼうにも……これがすっごく難しい。「この新潮文庫がスゴい!」と同じで、素晴らしいがありすぎるのだ。 「ハヤカワといえばSFだろ常識的に考えて」、「ハヤカワといえばミステリの王、いや女王」という意見がある。全面的に賛成……なのだが、わたしの傾向では、NV(ノヴェル)やNF(ノンフィクション)を好んで読む。シリーズ丸ごと推したいのがハヤカワepi文庫。epiとは、"epicentre"の略で、「震源」のこと。海外小説の素晴らしさを伝える発信源たる思いが込められているという(こっそり「よりぬきハヤカワさん」と呼んでいる)。スゴが、傑作が、徹夜小説があまりに多

    このハヤカワがスゴい!
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/04/21
    わりと古いのがきてるなー。ベルガリアードとか…w
  • 『江戸歌舞伎役者の〈食乱〉日記』-たった680円なのにお腹いっぱい - HONZ

    歌舞伎と江戸とを愛する人であれば、絶対に外せないである。味付けはあっさりと「山の幸」と「海の幸」の2章のみだ。底としているのは3代目中村仲蔵の『手前味噌』という自伝である。文化6年(1809)生まれ、明治19年(1886)没の仲蔵は「乱」を自認した大芝居(幕府公認の劇場)の名優だった。書はその江戸の大スターにレポーターとなってもらい、様々な江戸グルメを案内してもらうとい趣向なのだ。納豆汁、鰻、とろろ汁、トコロテン、伊勢海老、天ぷらなど小見出しは40。それぞれに滋味がある。歌舞伎と江戸とのかき混ぜ具合が絶妙なのである。たとえば「鶴」という一篇を見てみよう。 文政12年20歳の仲蔵は上方に向かった。上方で稼ごうと思ったからである。この年3月に江戸三座が焼けて出番がなくなったのと、女郎に馴染んで借金が返せなくなったからだ。その女郎とは松井町の「お半」、弁天の「おむら」、吉原の「若緑

    『江戸歌舞伎役者の〈食乱〉日記』-たった680円なのにお腹いっぱい - HONZ
  • 「数学者の哲学+哲学者の数学」書評 リスク社会で果たすべき役割とは|好書好日

    数学者の哲学+哲学者の数学歴史を通じ現代を生きる思索 [著]砂田利一、長岡亮介、野家啓一 数学者(砂田)、哲学者(野家)、そして元カリスマ予備校教師でもある数学史家(長岡)の3人が、数学と哲学との「あいだ」にある様々な問題を論じ合った。数学と哲学は、古来表裏一体の関係にありながら、現代では数学理論の高度化につれて溝が深まっている。二つの分野の専門家が時にはかみ合わないやりとりを重ね、時には新たな発見にひざを打つさまが楽しい。数学者と数学史家が、例えば「無限」をどう考えるかといった根的な点で対立する場面にも引き込まれる。震災後に語られた終章「学問の責任について」では、リスク社会において哲学と数学の果たすべき役割について議論。「実りある不一致」の重要さを確認している。 ◇ 東京図書・2310円

    「数学者の哲学+哲学者の数学」書評 リスク社会で果たすべき役割とは|好書好日
  • 「失われた二〇世紀」書評 野蛮と悲劇の時代、知識人たちの航海|好書好日

    失われた二〇世紀(上・下) [著]トニー・ジャット ヴァルター・ベンヤミンは「プルーストのイメージについて」で「無意志的記憶」について語っているが、書はまさしく「追想を横糸に、忘却を縦糸としてなされる、自発的想起」による20世紀の物語である。 それにしても、どうして過去の世紀を想起する必要があるのか。わたしたちは20世紀から新しい世紀に乗り換える際に、野蛮と悲劇に満ちた「妄想の時代」から完全に抜け出したはずではないのか。ジャットの答えはノーだ。彼によれば、新しい世紀が「自由」という単純で眉唾(まゆつば)ものの妄想に取りつかれ、世界的規模で20世紀と同じような悲劇と苦しみ、憎悪と絶望をまき散らしているからである。 では、「自由」という「妄想」がまるでゴルディオスの結び目を断ち切るような万能薬とみなされることで、何が失われることになったのか。国家、とくに福祉国家が失われることになった。それは

    「失われた二〇世紀」書評 野蛮と悲劇の時代、知識人たちの航海|好書好日
  • 『なぜデザインが必要なのか』 -編集によるイノベーション - HONZ

    「デザイン」と聞くと、IDEOやフロッグデザインを思い出す。いつからだろう?「ビジネスではデザインが重要」という話を聞くようになったのは。「デザイン」と聞くと以前は服や文房具やコカコーラのビンをイメージしたが、「ビジネスにおいてデザイン思考が重要です」と言う時の「デザイン」は、ちょっと違う印象になる。書が扱う「デザイン」も広い意味をもっていそうだ。書は、ニューヨークにあるクーパーヒューイット国立博物館が開催した『なぜ今デザインなのか?(Why Design Now?)』展についてのだが、そこで紹介されているプロジェクトは、アブダビのスマートシティ「マスダールシティ開発」だったり、貧困地域向けに開発された「自動車の修理部品を組み合わせて作る保育器」”ネオナーチャー”だったりする。力を合わせて大きな街を作ることや、既成品を組み合わせて全く新しいものを作ったりすることは、デザインの問題とし

    『なぜデザインが必要なのか』 -編集によるイノベーション - HONZ
  • ウィリアム・ジェームズ - 死にたくなったら読む本 (Keynotes)

    死にたくなったらというのはちょっと大げさなのだが、二つの意味がある。生きる実感が得られないときに読んでもいいかもしれないし、行き詰まった状態を抜け出すために一度昔の自分を消し去るためにも有効かもしれないと思うのだ。 ウィリアム・ジェイムズ入門―賢く生きる哲学を読んだ。このを読むまで「ウィリアム・ジェイムズ」という哲学者を知らなかったし、彼のも読んでみたのだが、それほどピンとこなかった。にも関わらず、あえてご紹介しようと思う。 ウィリアム・ジェームズは、当初家族の期待に応えるべく医学を学ぶ。M.D.を取得する。彼はその過程で「魂の病」にかかっていた。どうやら自分で納得して医者になろうと思ったわけではなかったようなのだ。さまざまな身体症状が出た後、神経衰弱になり、を経て、最後に自殺を図った。結局、医者にはならず、ハーバードで心理学を教えながら、最終的に哲学者として知られるようになった。

  • 『摂食障害の語り――<回復>の臨床社会学――』中村英代(新曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「<人々による>回復の物語を際立たせる:社会学のナラティヴ・アプローチにできることのひとつ」 今回は、私自身の研究と同様の研究方法「ナラティヴ・アプローチ」を用いた作品を、ご紹介します。著者の中村英代さんは、研究会でよくご一緒する若手研究者です。 「ナラティヴ」は、「語り」あるいは「物語」と訳されることが多い言葉で、一般的には、病いを体験する人が自分自身の病いに対して行なう意味づけ、ないしはそうした意味づけに関わる言葉を指しています。私たちが何か理解しがたい出来事、納得しがたい出来事、あるいは理不尽な出来事に遭遇したときに、どんな言葉を発するでしょうか。しばしば発すると考えられるのが、「なぜ?」という言葉だと思います。この言葉には複数の側面があって、「なぜよりによって<私>が?」という孤独な気持ちが含まれるでしょうし、あるいは「何が原因なのか純粋に知りたい」という不思

    『摂食障害の語り――<回復>の臨床社会学――』中村英代(新曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/01/30
    "ナラティヴ・アプローチ"
  • 『俺に似たひと』 明日はわが身の介護記録 - HONZ

    人生80年として、半分を過ぎた不惑の頃、漠然とした老後の不安にとらわれていた。自分の老い先が幸せであるためにはどんな準備が必要なのか、親や年上の友人たちの姿を見て参考にしようとしていた。 しかし、それから10年。そんなことより自分の親をどう大過なく晩年を過ごさせて送り出すことができるか、それが現在、最優先に考えなければならないことになっている。 奇しくもちょい読み『小商いのすすめ』と同じ著者の『俺に似たひと』は2009年の年末から2010年6月までに、著者が行った「両親を介護する物語」である。1950年生まれの息子はちょうど還暦。母からの足が痛い腰が痛い、一度様子を見に来てくれ、という電話を受けながら、80代半ばの夫婦が何とか暮らしていることに息子は興味を向けなかった。いや、読んだ印象では目を逸らしていたのだと思う。そこに母親が大腿骨を骨折し、入院したという連絡が入る。 著者の平川克美は事

    『俺に似たひと』 明日はわが身の介護記録 - HONZ
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/01/27
    レベッカ・ブラウンも入ってる
  • 『ニッポンのここがスゴイ!―外国人が見たクールジャパン』堤和彦(武田ランダムハウスジャパン) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「文化としての『クールジャパン』」 書は、2006年に放送が開始されたNHKの衛星放送番組『COOL JAPAN 発掘! かっこいいニッポン』で交わされたトークや、外国人による取材の内容をプロデューサーの堤和彦氏がまとめたものだ。スタジオでのやりとりを忠実に再現しようとしたものではないが、その要点がプロデューサーの視点から的確に凝縮されているため、163回(書の出版時点)にもおよぶ同番組の傾向がざっくりつかめるものとなっている。 「クールジャパン」というと、アニメやマンガなどのコンテンツやコスプレのようなポップカルチャーを連想しがちだ。書もマンガやJ-POPから始まってはいるが、居酒屋、商店街、自己鍛錬、夫婦の絆といった種々のものに触れている。ここで挙げられているものには、ビジネスやサービスから日的な振る舞いや習慣、さらには精神性のようなものまで含まれているの

    『ニッポンのここがスゴイ!―外国人が見たクールジャパン』堤和彦(武田ランダムハウスジャパン) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/01/24
    クールジャパンやカワイイをもう少しちゃんと追いたい。
  • 書評・最新書評 : アーティストのためのハンドブック [著]デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド [訳]野崎武夫 - 山形浩生 (評論家、翻訳家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■勇気を与える古典的なガイド 自分に才能はあるのか、商業主義に迎合していいのか、このまま芽が出なかったらどうしよう、空気を読むべきか、スランプからどう脱出すべきか、自分のやっていることに意味はあるのか——書が正面から取り組むアーティストの悩みは、他の人々も日々直面するものだ。そして書が与える回答やヒントも、ごくストレートなものだ。才能より努力、でもその努力が報われる保証はない。正解はないので苦闘するしかない、でも同じ苦闘するなら、やりたいことをしよう——その答えも、他の仕事や活動すべてにあてはまり、アーティスト以外でも勇気づけられる。 むろん、アート業界特有の問題などにも触れる。同じくアーティストの古典ガイドとして読み継がれ最近翻訳された、ヘンライ『アート・スピリット』よりは実務的ながら、いずれも長年読み継がれてきただけあって、シンプルで穏やかで普遍性を持つ。仕事、学業その他すべてに悩

    書評・最新書評 : アーティストのためのハンドブック [著]デイヴィッド・ベイルズ、テッド・オーランド [訳]野崎武夫 - 山形浩生 (評論家、翻訳家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • 『石の記憶』田原(思潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「《は》の効用」 すごい詩人が現れたものだ。これなら現代詩アレルギーのひとにも自信を持って薦められる。おおらかで、力強くて、土の中から生えだしてきたかのような安定感がある。それでいて実に柔軟。間接がやわらかいのだ。まさに一流の運動選手のような肉体を持った言葉である。 日語による第一詩集『そうして岸が誕生した』から、巻頭の「夢の中の木」を引いてみよう。 その百年の大木は 私の夢の中に生えた 緑色の歯である 深夜、それは風に 容赦なく根こそぎにされた 風は狂った獅子のように 木を摑んで空を飛んでゆく 夢の中で、私は 強引に移植されようとする木の運命を 推測できない 木がないと 私の空は崩れ始める 木がないと 私の世界は空っぽになる こういう自然に憑依されたような言葉で語ることのできる詩人を、筆者はそれほど知らない。近いのは新川和江か。変に頭を使ってはいけないということを

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  • 紀伊國屋書店 イベント案内

    「フィギュアスケートLife Extra羽生結弦PROFESSIONAL Season2」発売記念 パネル展を開催いたします

    紀伊國屋書店 イベント案内
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/01/21
    あとで読まなきゃいけない33冊。
  • 『ピュリツァー賞 受賞写真 全記録』 新刊ちょい読み - HONZ

    有名な報道写真がまとめて見られ、文章で時代背景も解説されている。20〜21世紀を概観するのに手頃な一冊と思い、気軽にページを眺めるつもりで読み始めたが、思わずじっくりと読み込んでしまった。 写真自体があまりに力強いのだ。写真の持つ物語が深く、ずっしりと重い。添えられた解説も適度に詳しく、写真を見ながら、いちいちもの思いに耽ってしまう。人の憎しみと苦しみ、たくさんの死体、そしてほんの少しの希望。これが現代のアメリカ(と世界)の歴史か、と思うと、胸が重たくなる。 尚、撮影に使ったカメラのメーカーや機種、フィルムのメーカーなどが掲載されているのも書の特徴だ。40年代、50年代は当時の報道カメラの定番であるスピグラこと、スピードグラフィック。その先はローライフレックスやハッセル、ライカなども少し登場するが、あとはほとんどがニコンかキヤノンとなる。80〜90年代はニコンの圧勝で、21世紀に入ってか

    『ピュリツァー賞 受賞写真 全記録』 新刊ちょい読み - HONZ
  • 食欲だけが、死ぬまで人間に残る「ラブレーの子供たち」

    べることは生きること。生きることを文学から知ろうとした人にとって、書は、懐かしくも未知の味に充ちている。 著名な芸術家が何を好んでべてきたかを調べあげ、その料理を再現する。それをみずから口に運び、かの人の「人となり」に思いを馳せるコンセプト。愛好している料理から、その人物の幸福感、ひいては世界観を引き出そうとする。ブリア=サヴァランのこの箴言を、素直にリアルに追求しているね。 「何をべているのか言ってごらんなさい、あなたがどんな人だか言ってみせましょう」 俎上にあがるのは、ロラン・バルトの天ぷら、小津安二郎のカレーすき焼き、谷崎潤一郎の柿の葉鮨など、いかにも美味そうな一品から、魔女の蛙スープ、ウナギのクリーム煮など、ちょっと遠慮したいものまで。 こういうは、書き手の読量がモノを言う。料理の感想文ではないのだから。たとえ素朴な料理でも、その背後の思想まで透徹するぐらい作品を読み込ん

    食欲だけが、死ぬまで人間に残る「ラブレーの子供たち」
    ivory_rene
    ivory_rene 2012/01/06
    「舌をコード化する」
  • 『猟奇博物館へようこそ 西洋近代知の暗部をめぐる旅』 新刊ちょい読み - HONZ

    猟奇的という文脈のもとに、古今東西の異貌のオブジェを博物館さながらに紹介している一冊。キュレーションのお手のような構成だ。 書には解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標などのグロテスクな写真がふんだんに登場する。それでいて上品さが損なわれていないのは、対象人物や、その思想へのリスペクトを欠いていない著者の語り口によるものであろう。 例えば哲学者デカルトは、紆余曲折を経て頭蓋骨と身体が別々の場所に葬られている。この事実を紹介した後の、著者のコメントが憎い。 それにしても、心身二元論の標榜者にふさわしく、デカルトは今日もなお、形而上的な頭蓋と形而下的な四肢の骨とを別々の場所に眠らせているのだねぇ。 また、功利主義思想家のジェレミー・ベンサムも負けてはいない。一望監視装置「パノプティコン」の考案者にふさわしく、自身の姿をロンドン大学にて衆人環視の中にさらし続けて

    『猟奇博物館へようこそ 西洋近代知の暗部をめぐる旅』 新刊ちょい読み - HONZ
  • 書評・最新書評 : 穂村弘 書評委員お薦め「今年の3点」 - 穂村弘(歌人) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    (1)こちらあみ子(今村夏子著、筑摩書房・1470円) (2)25時のバカンス(市川春子著、講談社・620円) (3)てんとろり(笹井宏之著、書肆侃侃房・1365円) ◇ 小説漫画、短歌とジャンルは違っても、いずれも異形の傑作揃(ぞろ)い。作者たちにその意図はないのかもしれないが、偶然めいた必然の形で「人類の未来の希望」を描いてしまったようにみえる。 (1)は世界から逸脱する魂のバイブル。この世のどこにも居場所のない「あみ子」がぼろぼろになればなるほど、まだ生まれていない未来が脈打つようだ。(2)は「人」と「人の姿をした人でないもの」との愛の物語。一頁(ページ)目から切ない。読み進めると、予測を超えた感覚の洪水に襲われて切な死にそう。(3)は一昨年26歳で亡くなった作者の遺歌集。〈当は誰かにきいてほしかった悲鳴をハンカチにつつみこむ〉〈かなしみにふれているのにあたたかい わたしもう壊れ

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  • 書評・最新書評 : 柄谷行人 書評委員お薦め「今年の3点」 - 柄谷行人(評論家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    (1)黄金の夢の歌(津島佑子著、講談社・2310円) (2)災害ユートピア(レベッカ・ソルニット著、高月園子訳、亜紀書房・2625円) (3)イスラームから見た「世界史」(タミム・アンサーリー著、小沢千重子訳、紀伊国屋書店・3570円) ◇ 3・11原発震災以後、世界が一変したような気がした。しかし、震災以前に書評したのほうがむしろ印象に残っている。(1)は現在の世界の基層に、遊牧民の世界を見る。「トット、トット、タン、ト」という蹄(ひずめ)の音がたえず聞こえてくる。それは日だけでなく、世界各地で始まった民衆デモを予告するかのようだ。(2)は、地震ツナミのような災害が相互扶助的な共同体を自然に生み出すこと、しかし、原発のように国家が絡む災害は人々を敵対させること、さらに、それがまた社会変革に導くことを予見している。(3)は表題どおり、イスラム圏から見た世界史である。これを読むと、イスラ

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