宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))は、国内企業と共同で、「静かな旅客機」を実現する騒音低減技術の開発を始めた。 翼や車輪の形を改良し、騒音を現在より6割減らすという。2019年度に旅客機を使ってテストし、海外への技術の輸出も目指す。 JAXAによると、旅客機の騒音は、エンジン音と機体が風を切る音が主な原因。エンジンは改良されたが、風切り音の対策はあまり進んでおらず、大阪(伊丹)空港がある兵庫県伊丹市の担当者は「今でも空港周辺の住民から騒音の苦情が寄せられる」と話す。 風切り音は、離着陸の際、揚力を得るために翼に取り付けられた「フラップ」という装置や、車輪の周りに、複雑な空気の流れが起きるために生じる。JAXAは13年度から、空気の流れが乱れないように、主翼の前面をギザギザに加工し、フラップの端を丸い形にする方法を検討してきた。車輪の軸部分には特殊なカバーを取り付けることにした。